容量次元 From Wikipedia, the free encyclopedia 容量次元(ようりょうじげん、英: Capacity dimension)は、数学、特に幾何学や動的システム論(カオス理論)において、フラクタル集合の複雑さを測定するための指標(フラクタル次元)の一つである。 コルモゴロフにより導入された概念であり、実用上の計算手法であるボックスカウンティング次元と実質的に同一視されることが多い。 n次元ユークリッド空間内のコンパクト集合 S {\displaystyle S} を考える。辺の長さが ϵ {\displaystyle \epsilon } である n {\displaystyle n} 次元立方体(ボックス)によって S {\displaystyle S} を被覆するとき、集合 S {\displaystyle S} と重なりを持つボックスの最小数を N ( ϵ ) {\displaystyle N(\epsilon )} とする。 このとき、容量次元 D 0 {\displaystyle D_{0}} は以下のように定義される: D 0 = lim ϵ → 0 log N ( ϵ ) log ( 1 / ϵ ) {\displaystyle D_{0}=\lim _{\epsilon \to 0}{\frac {\log N(\epsilon )}{\log(1/\epsilon )}}} 極限が存在しない場合は、上極限および下極限を用いて「上容量次元」「下容量次元」を定義する。 性質 ハウスドルフ次元との関係: 常に D H ≤ D 0 {\displaystyle D_{H}\leq D_{0}} ( D H {\displaystyle D_{H}} はハウスドルフ次元)が成り立つ。多くの典型的なフラクタル図形では両者は一致するが、容量次元の方が定義が単純である反面、計算において数学的な精密さに欠ける場合がある。 計算の容易さ: ハウスドルフ次元が理論的な解析に向くのに対し、容量次元(ボックスカウンティング次元)はコンピュータを用いた数値計算に適している。デジタル画像データなどに対して、格子状のマス目でカウントする手法が一般的に用いられる。 情報の欠落: 容量次元は集合の「形」のみを考慮し、その点集合上の確率密度(頻度)を考慮しない。このため、多重フラクタル(マルチフラクタル)の解析においては、一般化次元( D q {\displaystyle D_{q}} )における q = 0 {\displaystyle q=0} の特殊ケースと位置づけられる。 具体例 カントール集合: 3等分して中央を除く操作を繰り返す場合、 D 0 = log 2 / log 3 ≈ 0.6309 {\displaystyle D_{0}=\log 2/\log 3\approx 0.6309} となる。 コッホ曲線: D 0 = log 4 / log 3 ≈ 1.2619 {\displaystyle D_{0}=\log 4/\log 3\approx 1.2619} となる。 関連項目 フラクタル フラクタル次元 ボックスカウンティング次元 ハウスドルフ次元 カオス理論 Related Articles