以下では Maggiore (2008) に従い、展開パラメータを重力源の速度
と光速
の比
とし、
の量を添え字
により表す。また、物質場は非相対論的でありそのエネルギー・運動量テンソル
は
を満たすものと仮定する。また光速
を1とする単位系を採用する。
物質場が存在しないミンコフスキ時空では計量テンソル
は
,
と書けるため、ポスト・ニュートン展開ではこの計量に対する補正項を
のべき級数という形で求めることになる。重力波放射を無視する近似では、時間反転対称性のため例えば
には
の奇数次の項は現れないため、この展開を次のように表示することができる[2]。



同様に、エネルギー・運動量テンソルは次の形に展開される。



アインシュタイン方程式に上記展開を代入し
のべきで整理すると、調和ゲージ条件(De Donderゲージとも呼ぶ)
のもとで、時間成分の最低次の項からは
に関する方程式

が導かれる[3]。
は物質場のエネルギー密度であることから、この結果は計量の最低次の補正項
はニュートン理論における重力ポテンシャル
と

という関係にあることを示している。同様に、アインシュタイン方程式の空間成分から
が

と表示できることが従う[4]。
一方、アインシュタイン方程式の
成分の最低次の項は

という方程式であり、
はある種のベクトルポテンシャル

に等しいことが導かれる[4]。なお
と
は独立ではなく、ゲージ条件に対応する拘束条件
を満足する[5]