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麻婆豆腐

中華料理(四川料理)のひとつ From Wikipedia, the free encyclopedia

麻婆豆腐(マーボーどうふ)は、中華料理四川料理)の1つ。挽肉赤唐辛子花椒(ホアジャオ、山椒の同属異種)・豆板醤(トウバンジャン、豆瓣醤)、豆豉豆豉)などを炒め、豆腐をスープで煮てとろみをつけた料理。

繁体字 麻婆豆腐
簡体字 麻婆豆腐
拼音 mápó dòufu
注音符号 ㄇㄚˊㄆㄛˊ ㄉㄡˋㄈㄨ·
概要 麻婆豆腐, 各種表記 ...
麻婆豆腐
成都陳麻婆豆腐店の麻婆豆腐
各種表記
繁体字 麻婆豆腐
簡体字 麻婆豆腐
拼音 mápó dòufu
注音符号 ㄇㄚˊㄆㄛˊ ㄉㄡˋㄈㄨ·
発音: マーポードウフ
広東語発音: maa4po4 dau6fu6
台湾語白話字 bâ-pô-tāu-hū
日本語漢音読み まはとうふ
日本語慣用読み まーぼーどうふ
英文 Mapo doufu
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本場四川料理の麻婆豆腐。
香港の麻婆豆腐。日本と同じく辛さが抑えられている

概要

「麻婆」(マーポー)とは顔にあばた(天然痘による瘢痕)のあるおかみさんの意で、後述する劉氏があばた面だったことに由来する。 唐辛子の辛さである「辣味」(ラーウェイ)と花椒の痺れるような辛さである「麻味」(マーウェイ)が特徴。四川省では、花椒は粒で入れるほか、仕上げにも粉にひいたものを、表面が黒くなるほど大量に振りかける。 本品の特徴は、麻(マー)、辣(ラー)、燙(タン)、酥(スー)、嫩(ネン)、鮮(シェン)、香(シアン)、整(チェン)に注意を払うことであるとされる[1]。調理法としては、少ないスープで材料の水分を引きだし味をしみこませる、四川の方言で「火毒」(火ヘンに毒、ドゥー)を使っている[2]

「麻」は花椒由来の痺れ、「辣」は唐辛子とピーシェン豆板醤の辛さ。「酥」はひき肉を炒めカリカリとしているが、口の中でほろりと崩れる食感。「嫩」は豆腐はエッジが立つ硬さではなく、しかし崩れぬよう湯通しした柔らかな食感を表す。「燙」は提供時の温度、「鮮」は肉の旨味や葉ニンニクの鮮度、「香」は肉や、麻婆豆腐全体の香りを表す。「整」は豆腐が崩れていないことを表現する。

歴史

1862年、四川省成都の北郊外の北門、万福橋のそばに陳興盛飯舗があった。早くに亡くなった陳富春の妻である陳劉氏が、労働者が持ってきた油と肉材料で作った料理が原型とされる。陳劉氏の顔にはあばた(麻点)があったため、「陳麻婆」と呼ばれており、彼女が作る名物の豆腐料理は「陳麻婆豆腐」と呼ばれた。

1930年ごろまでは調理方法は今とは違い、客が油と肉を持ってきて調理してもらっていた。油で肉と豆豉を炒め、唐辛子で香りを出し、豆腐を油の中に入れてから強火で蒸し火を通していたと言われている[3]

より古い記録だと、清の周詢は『芙蓉話旧録』に「北門の外に陳麻婆という者がおり、豆腐をうまく料理する。豆腐代に調味料と調理代を含めて、ひと碗の値段は八文。酒や飯も合わせて売っており、もし豚肉や牛肉を入れたければ、客が持参するか、代金を払って用意して貰うことも可。店の屋号は知る人が多くないが、陳麻婆と言えば知らない者はいない。そこまで町から4、5里(2キロメートル余り)あるが、食べに行く者は遠くても気にしない」という内容を記している。

後に店の名前も「陳麻婆豆腐店」と呼ばれるようになり、この陳麻婆豆腐店は中華人民共和国成立後の1956年に成都市飲食公司所有の国営企業となった。商標となってからは国の許可を得た民間の店舗も成都にいくつか存在する。また、成都市飲食公司の認可により近年日本にも店舗を出した。中国大陸では文化大革命以降に「古い因習を打破するため」(破四旧中国語版)と味の成り立ち(上記の通り唐辛子系の「辣」と花椒系の「麻」の2種類の辛味を用いる為)とから「麻辣豆腐」と改称するように提唱されたこともあるが、現在は「麻婆豆腐」と称する方が一般的である。

八つの要素

  • 麻 - 挽いた花椒のしびれる味
  • 辣 - 唐辛子を使った辛味
  • 燙 - アツアツの出来たて
  • 酥 - そぼろがサクサクしている
  • 嫩 - 豆腐が柔らかい
  • 鮮 - 食材が新鮮で旨味がある
  • 香 - 調味料スパイスの香りを引き立てている
  • 整 -豆腐の形が整っている

日本における麻婆豆腐

麻婆豆腐をはじめて一般向けに広めたのは王馬熙純である[4]。1958年に柴田書店の『中国料理』で紹介、翌年にはNHKの全国放送の料理番組『きょうの料理』に出演し、麻婆豆腐を紹介した。

その後は張掌珠、沈朱和、陳建民が『きょうの料理』で麻婆豆腐を紹介している。

1970年代には日本メーカーが製造した麻婆豆腐用ソースのレトルトパウチが日本のスーパーで多種類販売され、また陳建一らがテレビで麻婆豆腐のレシピを紹介。家庭料理として定着した。

従来、日本のスーパーでは花椒は入手困難で、家庭料理としての麻婆豆腐に花椒が入れられないことが多く、日本メーカーが製造するレトルトパウチの家庭向け麻婆豆腐ソースも花椒控えめのものが多かった。しかし近年は日本のスーパーに花椒が並ぶようになったので、家庭で各人が好みの量で入れるようになり、花椒を麻婆豆腐に入れる人も増えた。

麻婆豆腐は、日本では"本格中華の店"と大衆が通う町中華の店では、かなり味付けが異なっている。日本の大衆的店舗では辛みを和らげた日本的な麻婆豆腐が人気を呼び、米飯にかけた麻婆丼も広まった。近年の激辛ブームやグルメブームにより、本場四川省とほぼ同じレシピで作る店も登場している。また、本場風の味付けと日本的味付けの両方から選択できる店もある。

「麻婆」の中国語の発音は濁らないマーポー(mapo)だが、日本ではこれをマーボー(mabo)と濁らせて呼んでいる。日本では、麻婆豆腐と同様の味付けを施した麻婆茄子麻婆春雨が派生料理のように扱われて、日本式中華料理として普及している。しかし、由来となった料理はそれぞれ「魚香茄子」(ユーシアンチエズ)と「螞蟻上樹」(マーイーシャンシュ)という別の風味・調理法の四川料理である。魚香茄子や螞蟻上樹に麻婆豆腐とは関係性なく、また「麻婆」の言葉自体にも、中国語で特定の味付けや調理方法を指す意味は無い。

脚注

関連項目

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