ミシュテカ語の方言の一つであるチャルコトンゴ・ミシュテカ語について述べる[3]。
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両唇 |
歯茎 |
後部歯茎 |
硬口蓋 |
軟口蓋 |
| 鼻音 |
m |
n, nᵈ |
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ɲ [j̃]¹ |
(ŋᵍ) |
| 破裂音 |
b |
t |
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k, kʷ |
| 破擦音 |
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tʃ, ⁿtʃ |
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| 摩擦音 |
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s |
ʃ, ʒ |
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x |
| 接近音 |
w |
l |
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| 弾き音 |
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ɾ |
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無声歯茎摩擦音/s/や無声軟口蓋摩擦音/x/がない方言もある。対して、有声歯摩擦音/ð/や無声歯茎破擦音/ts/がある方言もある。
声調はミシュテカ語の特徴の一つであり、これは他のすべてのオト・マンゲ語族の言語と共通する特徴である。その重要性にもかかわらず、ミシュテカ語の声調に関する研究はそれぞれかなり異なっている。
他のミシュテカ語群のいくつかの言語はかなり複雑な声調体系を持っている[4]。例えば、ミシュテカ語族の別の言語であるトリケ語は、世界でも最も複雑な声調体系の一つを持っている[5]。特にチカワストラ・トリケ語という方言には、少なくとも10種類の声調があり、研究者によっては16種類あるとする人もいる[6]。
一般に、ミシュテカ語は高声調、中声調、低声調の3種類の声調を区別する。
実際の表記体系では、声調の書き方はさまざまである。多くの場合、声調の文法的な重要性はそれほど大きくない。ただし、一部の言語では、動詞のアスペクトや、肯定・否定の区別を声調で標示する場合もある。
ミシュテカ語における母音と子音の鼻音化はこれまで様々な研究が行われてきた。これらの研究に共通しているのは、鼻音化は対立的であるということである。
ほとんどの方言において、鼻音化は形態素の右端に限られ、そこから左に広がっていく。しかし、途中に阻害音がある場合そこで止められる。ここで阻害音とは、ミシュテカ語の破裂音、破擦音、摩擦音のことである。
ミシュテカ語の他の分析では、鼻音化の広がりに基づいて、次のような子音の対立があると考えられている[7]。
- 両唇音:/m/、/β/
- 硬口蓋音:/ʒ/、鼻音化した /j/(これはしばしば、やや不正確ではあるものの簡単に /ɲ/ と表記される)
- 歯茎音:/n/、/nᵈ/
また、鼻音化した母音が、すでに鼻音化している子音の隣にある場合、その母音の鼻音化は他の環境よりも弱くなる傾向がある。
このような分布は、ミシュテカ語の初期の文書にも同じように示されていることから、少なくとも過去500年間はミシュテカ語の特徴であったと知られている。