ミジンコ
ミジンコ科の甲殻類の一種
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ミジンコ(微塵子、水蚤)は鰓脚綱に属する淡水性の微小で透明な動物プランクトン。
広義には以下の生物がミジンコと呼ばれている。
- 鰓脚綱枝角亜目(ミジンコ目)のもの
- そのうち、特にミジンコ科ミジンコ属の1種Daphnia pulex
- そのうち、特にミジンコ科ミジンコ属の1種Daphnia magna:オオミジンコ
- 貝形虫亜綱ミオドコーパ目あるいはカイミジンコ目のもの:カイミジンコ
- カイアシ亜綱のもの:ケンミジンコ
これらの外見はよく似ているが、以下の点で見分けられる。
- ミジンコ(ミジンコ目):丸っこい体・両腕を広げている・卵を担いでいる・バタフライで泳ぐ(左右の腕を同時に振っている)
- カイミジンコ:二枚貝の外見・はい回れる脚・クロールで泳ぐ(両腕を交互に掻いている)
- ケンミジンコ:細長い体・長い触角・卵のうをぶら下げている・犬かきで泳ぐ(腹面に細かい脚)
狭義には Daphnia pulex を指してミジンコと呼ぶ。本記事では狭義のミジンコについて解説する。
特徴
中型種で体長1.5-3.5mm、大型では5.0mmにもなる[要出典]。体は頭部を除き二枚貝のような背甲に覆われ、横から見るとひよこのような形をしている。背甲の下に卵を抱えて孵化まで保育する。
眼は左右が融合した大きな複眼が1個だけある。顕微鏡などで観察するときはミジンコの体を左右から見ることになるため、一見左右に目があるように見える。正面から見ると一つ目お化けのような姿をしている。
頭部にははっきりした吻があり、その下にある第1触角は吻端に達しない。体を覆う甲は広卵形で、後方の縁には細かな棘が並ぶ。後端にある棘状突起は甲羅の長さの4分の1以下、時にはないこともある。
生息環境
世界的に分布する。日本でも全土に分布、浅い池沼、川に生息する。
生態
自分と同じクローンしか産まない単為生殖期と、交配して子孫を残す有性生殖期がある。一般的に、環境の良いときはメスを産み、生存危機が迫ったときにだけオスを産んで交配するとされる。また、エサや水温、日照時間の変化により、休眠卵(耐久卵)とよばれる卵を作る。有性生殖期には雌雄による受精卵を作ることもある。
ゲノム解読
ミジンコのDNAのサイズは約2億塩基対と小さいのに、タンパク質を作る遺伝子は少なくとも約3万900個と、これまでゲノムが解読された動物の中で最も多いことが判明している。東京薬科大学やアメリカインディアナ大学などの研究によれば、ミジンコの遺伝子は3万1000個以上にのぼり、ヒトよりも8000個も多い[1]
日本に生息する個体に関する知見の変遷
1926年以前 Daphnia morsei として分類され日本の固有種と考えられていた。
1926年 上野益三により Daphnia pulex と修正。
2015年 東北大学の研究グループが日本各地の300か所以上の地点で捕獲したミジンコのミトコンドリアDNAと核DNAを分析し、以下が判明した。
- 日本に本種の有性生殖を行う個体群はいないこと
- 日本産個体のミトコンドリアDNAはいずれも Daphnia pulex のものである一方、核DNAには北米生息で日本いない別種 Daphnia pulicaria の乳酸脱水素酵素遺伝子が含まれること
- ミトコンドリアDNAの型と核DNAの型の組み合わせが4通りしかないこと
すなわち、日本に生息するミジンコは Daphnia pulex と Daphnia pulicaria との雑種個体であり、かつ北米から侵入した4個体のメスがそれぞれ単為生殖で繁殖した個体群であった。
ミトコンドリアDNSの分析によれば移入した4個体のうち、2個体はごく近年に移入し、残る2個体は700年から3000年前に移入したとされる。具体的な侵入ルートは不明とされる。
また、単為生殖を続ける個体群は遺伝的多様性の低さや有害遺伝子の蓄積により一般に絶滅しやすいとされ、日本のミジンコも数千年程度で絶滅する可能性が指摘されている[2][3][4]。一方でこれまで絶滅しなかった理由は分かっていない。