モザイク・ラセン
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少女、白川美羅は幼いころから不思議な夢を度々見るようになっていた。それは不安な夢であり、美羅が鳥になって空を飛び、谷間に近づくと黒い鳥がいるのである。その黒い鳥は少年で、美羅のことをミリディアンと呼び助けを求めて叫んでいる。不思議な夢は年月が経っても夜毎見るようになっていたが、美羅がイギリスで女学校生活をするようになったある日、黒い鳥の少年は夢の中で不吉な予言を残したまま突然姿を消し、それからその夢を見ることはなくなった。
その夜から3か月経った頃のこと、女学校の音楽の授業中に友人に見せられた写真の少年、ラドリ・マッキャベリは美羅が夢の中で見た黒い鳥の少年そっくりの顔をしていた。調律のため音叉を鳴らしていた美羅は、「共鳴(レゾナンス)」と言った瞬間に気絶してしまい、ラドリが火事で炎にまかれ、人間ではない得体の知れぬものに襲われている夢を見る。
虫の知らせのようなものを感じ、いても立ってもいられなくなった美羅は、友人のサマティと共にラドリの写真が載った雑誌の発行元であるロンドンのトラディショナル出版社を訪ねる。そこでラドリの写真を撮ったカメラマンのリンゴに会い、彼と一緒にラドリの住むホーブに向かったところ、美羅の夢の通り彼の家は火事で焼け、両親は死んでいた。
ラドリがオーバー・ヒルの病院に入院していると聞いた美羅たちは病院を訪れるが、ラドリはショックで口をきけなくなっていた。そこへ駆けつけたマッキャベリ家の古い友人のバーダ・マニ・ハナと話をしていたところ、突然ラドリが消えてしまった。美羅はラドリを連れ戻すため、マニ・ハナの導きを受け夢飛行で異次元の世界に向かう。
登場人物
地球側の人間
- 白川 美羅
- 本作の主人公であり女学校の寮で暮らしている。夜毎見る不思議な夢とラドリ・マッキャベリが気がかりとなり、ロンドンへと向かう。
- ラドリ・マッキャベリ
- 美羅の夢に登場する少年。トラディショナル出版社の雑誌に写真が掲載された直後、ホーブの実家へ戻るが火事になり両親を失う。火事のショックで口をきけなくなり病院へ入院することとなる。
- サマティ
- 美羅の親友であり、ロンドン行きを最初に提案した少女。
- リンゴ
- トラディショナル出版社のカメラマン。美羅に協力し、ラドリに会うため美羅と共にホーブへと向かう。
- バーダ・マニ・ハナ
- マッキャベリ氏(ラドリの父親?)の古い友人。スリランカの紳士でエスパー能力がある。サマティの祖父と顔なじみである。
- フォリン
- マニ・ハナの友人で同じくエスパー能力がある。地球のオオカミ男。
- 院長
- ラドリが入院するオーバー・ヒルの病院の院長。異世界から出稼ぎに地球にきた密入国者。
異世界の人間
- センジ
- 音律堂で生活する楽師。ラドリをかくまう。
- リーマ
- 幼い頃センジに拾われて音律堂で生活する女性。ラドリを「天羽」(異世界のエスパー)として操る。
- ダダ王子
- 隣国の大学で4年間留学をしていた。義理の父である「黒の王」と対立している。
- スピカ
- ダダ王子の幼なじみのボーイッシュな少女。
- ララニーア
- スピカの姉でダダ王子が子供の頃、婚約していたが大人になる前に水死した。
- ライガン
- 「黒の王」と恐れられる人物で「天羽」として美羅と院長を呼び寄せる。義理の息子のダダ王子を妬んでいる。
- シェジュ
- 下半身がつながった結合双生児の兄弟で、シェジェという名前は2人で1つのもの。兄は顔は醜いが知能があり、弟は顔が美しく「天羽」を呼び寄せる力があるが知能が未発達である。「黒の王」ライガンにより強制的に働かされる。
解説
エピソード
単行本
- 萩尾望都 『モザイク・ラセン』 秋田書店〈豪華版〉、1983年5月、ISBN 4-253-09951-3、全1巻
- 萩尾望都 『モザイク・ラセン』 小学館〈プチコミックス〉、1986年4月、ISBN 4-09-178035-0、全1巻
- 萩尾望都 『モザイク・ラセン』 秋田書店〈プリンセスコミックス〉、1994年6月、ISBN 4-253-07666-1、全1巻
- 萩尾望都 『モザイク・ラセン』 秋田書店〈秋田文庫〉、1998年12月、ISBN 978-4-253-17252-3、全1巻