ヤシャゼンマイ
From Wikipedia, the free encyclopedia
夏緑性の草本で中型のシダ植物[2]。全体にゼンマイに似るが、やや小柄である。根茎は直立するか斜めに立ち、複数の葉を束に生じる[2]。
葉には明らかな2形がある。栄養葉は二回羽状複葉で長さ20 - 45センチメートル (cm) 、幅15 - 30 cm、卵状楕円形で葉質はやや厚い。最下の羽片は最大にはなっておらず、羽片や小羽片は主軸や羽軸に対して約50度の角度でついており、つまり全体に斜め上向きになっている[2]。小羽片は狭披針形をしており、長さ3 - 6 cm、幅7 - 10ミリメートル (mm) 、時に13 mmまで、先端は尖った形となっており、基部側も尖った形に狭まり、また左右対称の形を取る[2]。基部には短い柄が区別できることがある。葉脈は先で癒合することがなく、主脈に対して約35度の角度を取る。胞子葉はやはり二回羽状複葉だが小羽片は線形で幅2 - 4 mmで胞子嚢を密集して付ける[2]。胞子葉は4月ごろに出て、胞子を放出するとすぐに枯死する[2]。
和名の意味は「やしゃ」のゼンマイであるが、「やしゃ」については小羽片が細いことから「痩せ」から変化したという説、優しいという意味で「やさ」に由来するという説、ゼンマイの玄孫(やしゃご)という意味だとする説などがある由[3]。
- 岩の上の株の様子
- 生育地の様子
前の写真の株が右端に見える
生育環境
分布
分類
形態的にゼンマイ(学名: Osmunda japonica)によく似ており、系統的にも近いとされており、日本産の本属のものではこの2種のみをゼンマイ亜属Subgen. Osmunda とする。本種は日本においてゼンマイを元に渓流環境に適応して分化した種と考えられる[3]。
両者の雑種がよく見られ、オオバヤシャゼンマイ(学名: Osmunda × intermedia[5])という。これについては後述する。他にオクノヤシャゼンマイ var. takamiana Hiyama が記録されており、これは本種の小羽片の先端があまり尖っていないものであるが、このオオバヤシャゼンマイの誤認である可能性を海老原(2016)は指摘している[3]。
