ヤン・オールト
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生涯
主要な業績
オールトの業績は多岐にわたるが、特に以下の2点が天文学史において重要である。
銀河系の構造と回転の実証
オールトの師であるカプタインは、恒星の固有運動に特定の「流れ」があることを指摘していた(二星流説)。これを発展させたのが、銀河系が回転しているとするリンドブラッドの「銀河系回転説」である。
オールトは、太陽周辺の恒星の固有運動を統計的に詳細に分析することで、この銀河系回転説を実証した。彼はまた、銀河系の中心がいて座方向にあり、その距離を約3万光年と修正した。この値は現在でも広く用いられている。
さらに、彼は1951年にライデン大学のチームを率い、水素原子が放出する21cm線の観測に成功した。これは電波天文学の発展に大きく寄与し、この観測データに基づいて、銀河系が渦巻銀河であることを明らかにした。この研究は、銀河の質量と回転速度の関係に矛盾が生じる「銀河の回転曲線問題」の早期の指摘にも繋がった。
オールトの雲の提唱
1950年、オールトは長周期彗星の起源について画期的な仮説を提唱した。彼は、太陽から1万から10万天文単位の彼方に、彗星の「巣」ともいえる球状の領域が存在すると考え、これを「オールトの雲」と名付けた。
この雲に存在する微惑星や氷、塵などが、近傍を通る星の重力的な擾乱を受けることで、一部が太陽系の内側へ向かい、長周期彗星として観測される、と説明した。オールトの雲そのものは直接観測されたことはないが、長周期彗星の出現方向や軌道の特徴をよく説明するため、現在では広く受け入れられている仮説である。
受賞・栄誉
オールトは、その優れた業績に対し、数多くの賞を受賞している。
- 太平洋天文学会ブルース・メダル(1942年)
- 英国王立天文学会金賞(1946年)
- ジュール・ジャンサン賞(1947年)
- ジャンスキー賞(1967年)
- バルザン賞(1984年)
- 京都賞基礎科学部門(1987年)
参考文献
- 京都賞. "ヤン・ヘンドリック・オールト". (参照 2024-05-21).
- weblio辞書. "ヤン=オールトとは? わかりやすく解説". weblio辞書 (参照 2024-05-21).
- imidas. "オールトの雲". (参照 2024-05-21).
- note. "ダークマター(暗黒物質)探求ものがたり#1". (参照 2024-05-21).
外部リンク
- J・H・オールト - ウェイバックマシン(2003年12月31日アーカイブ分) - 宇宙航空研究開発機構(JAXA)のウェブサイトにあるオールトの伝記。
- Jan H. Oort - ソノマ州立大学(Sonoma State University)物理天文学部のサイトにあるオールトの伝記。英文ページ。