ヨウ化銅(I)

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ヨウ化銅(I)(ヨウかどう(I)、Copper(I) iodide)は、化学式 CuI で表される無機化合物である。有機合成試薬や人工降雨剤など幅広い分野で用いられている。ほぼ白色の粉末で水には難溶であるが、ヨウ化物塩の濃い水溶液やアセトニトリルなどには錯体を作りながら溶ける。

概要 物質名, 識別情報 ...
ヨウ化銅(I)
Copper(I) iodide
Copper(I) iodide
物質名
識別情報
3D model (JSmol)
ChemSpider
ECHA InfoCard 100.028.795 ウィキデータを編集
UNII
性質
CuI
モル質量 190.450 g·mol−1
外観 白色の固体
匂い 無臭
密度 5.67 g/cm3 [1]
融点 606 °C (1,123 °F; 879 K)
沸点 1,290 °C (2,350 °F; 1,560 K) 分解
0.000042 g/100 mL
溶解度平衡 Ksp 1.27 x 10−12 [2]
溶解度 アンモニアとヨウ化物溶液に溶ける
希酸に溶けない
蒸気圧 10 mm Hg (656 °C)
磁化率 −63.0·10−6 cm3/mol
屈折率 (nD) 2.346
構造
本文参照
四面体
危険性
GHS表示:
腐食性物質急性毒性(低毒性)水生環境への有害性
Danger
H302, H315, H319, H335, H410
P261, P273, P305+P351+P338, P501
NFPA 704(ファイア・ダイアモンド)
NFPA 704 four-colored diamondHealth 1: Exposure would cause irritation but only minor residual injury. E.g. turpentineFlammability 1: Must be pre-heated before ignition can occur. Flash point over 93 °C (200 °F). E.g. canola oilInstability 0: Normally stable, even under fire exposure conditions, and is not reactive with water. E.g. liquid nitrogenSpecial hazards (white): no code
1
1
0
引火点 不燃性
NIOSH(米国の健康曝露限度):
PEL
TWA 1 mg/m3 (as Cu)[3]
REL
TWA 1 mg/m3 (as Cu)[3]
IDLH
TWA 100 mg/m3 (as Cu)[3]
安全データシート (SDS) Sigma Aldrich
関連する物質
その他の
陰イオン
その他の
陽イオン
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
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天然には、希少鉱物のマーシュ石英語版として産出する。

合成

実験室レベルで合成するには、ヨウ化ナトリウムまたはヨウ化カリウムの水溶液に、硫酸銅(II)など水溶性の銅イオンを加えるだけでよい。

生成したCuI2はただちにヨウ化銅(I)とヨウ素に分解する。[4]

また、ヨウ化水素酸中でヨウ素と銅を加熱することでも生成する。

ヨウ化銅(I)は極めて水に溶けにくいが、NaIやKI存在下では直線型の[CuI2]イオンとなって溶解する。この溶液を水で薄めるとヨウ化銅(I)が析出する。この精製方法により、無色で純度の高いヨウ化銅(I)が得られる[5]

構造

ヨウ化銅(I)は様々な構造をとる。390℃以下では閃亜鉛鉱型構造(γ-CuI)、390~440℃ではウルツ鉱型構造(β-CuI)、440℃以上では塩化ナトリウム型構造(α-CuI)となる。

ɣ-CuIβ-CuIα-CuI

利用

有機合成化学における利用

ヨウ化銅(I)は触媒、ヨウ素化試薬として有機合成化学で用いられる。薗頭カップリングウルマン反応などのクロスカップリング反応において触媒、あるいは助触媒とされる。また、ヨウ化ナトリウムとともに、臭化アリールからヨウ化アリールへの変換に用いられる[6]。ヨウ化アリールは薗頭カップリングヘック反応鈴木・宮浦カップリング右田・小杉・スティルカップリングウルマン反応などの各種カップリング反応において臭化アリールより高い反応性を示すため、この変換は重要である。

東京大学福山透らは、ヨウ化銅(I)と酢酸セシウムを用いた芳香族アミノ化反応を開発し、全合成に用いている[7]

チオシアン酸イミダゾリウムを添加し結晶を微細化したヨウ化銅(I)は、固体型色素増感太陽電池への応用が研究されている[8]

その他の利用

人工降雨剤として、ヨウ化銀などと同様に用いられる。

脚注

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