ヨードレシニフェラトキシン

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ヨードレシニフェラトキシン
識別情報
CAS登録番号 535974-91-5
PubChem 6324614
J-GLOBAL ID 200907054482376579
ChEMBL CHEMBL595069
特性
化学式 C37H39IO9
モル質量 754.6 g mol−1
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ヨードレシニフェラトキシン(iodoresiniferatoxin、I-RTX)は、一過性受容体電位バニロイド1型 (TRPV1) 受容体の強力な競合的アンタゴニストである。I-RTXはレシニフェラトキシン (RTX) に由来する。

I-RTXはモロッコ産のサボテン様植物ハッカクキリン Euphorbia resiniferaが生産するレシニフェラトキシンのヨウ素化体である。I-RTXはRTXの5位がヨウ素化されていることから、5-ヨードレシニフェラトキシンとも呼ばれる。

合成

I-RTXは芳香族求電子置換反応[1]によってRTXから調製される。

化学

RTXの5位のヨウ素化は、この毒をTRPV1受容体アゴニストからアンタゴニストへと変化させる[2][3][4]。TRPV1への親和性はRTXから若干低下するだけである。

RTX同様、I-RTXはダフナン類分子に分類される[5]

本化合物はジメチルスルホキシドおよびエタノールに可溶である[6]

I-RTXの結合は温度とpHに依存することが、TRPV1を発現させたHEK293細胞を用いた研究で示されている。最適なpHはおよそ7.8から8.0で、結合は37 °Cまでは顕著に上昇し、高温では低下する[2]

標的

当初は、ヨードレシニフェラトキシンは高い親和性(HEK 293/VR1に対するKd = 4.3 ± 0.9 nM、ラット脊髄膜に対するKd = 4.2 ± 1.0 nM)を有するTRPV1受容体の競合的アンタゴニストと考えられていたが[2]、最近の研究では、特に1から30 µMの高濃度においては、マウスの熱調節システムにおいて一時的な部分アゴニスト特性があることも示されている[6]

TRPV1受容体はカルシウム透過チャネルを形成する838アミノ酸からなるタンパク質をコードしており、カプサイシンによって活性化されるが、有害な熱や細胞外の低pHによっても活性化される[7]。TRPV1受容体は多くの中枢および末梢神経系で発現しており、とりわけ求心性痛覚経路におけるシグナル伝導において重要な役割を果たしている[8]

作用機序

提唱されているTRPV1アゴニストの作用機序は、チャネルポアのブロックである[8]。カプサイシンや6未満のpH、熱をアゴニストとして用いたいくつかの研究では、I-RTXがin vitroにおいて強力な競合的TRPV1アンタゴニストとして作用することが示されている[2][3][4]

また、最近の研究ではマウスの熱制御系において、細胞内Ca2+濃度を増加させるI-RTXの部分的TRPV1アゴニスト用効果が明らかにされている。また、in vitroにおいて組み換えTRPV1に対する弱い部分的アゴニスト活性も示す[6]。このアゴニスト活性は、I-RTXが脱ヨウ素化される代謝を受けるためであると考えられる[8]In vivoでは、I-RTXはカプサイシン痛覚試験におていて鎮痛活性を示す[2]。ゆえにI-RTXは、TRPV1が媒介する侵害および神経性炎症反応を妨害することができる[3][4]

毒性

臨床応用

脚注

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