ラジ・ムサビ
イランの将官 (1963-2023)
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サイード・ラジ・ムサビ(ペルシア語: سید رضی موسوی, ラテン文字転写: Sayyed Razi Mousavi、1964年 - 2023年12月25日)は、イランのイスラム革命防衛隊の将軍。階級は准将[1]。
革命防衛隊の対外工作部門であるゴドス軍のシリア駐在の幹部であり、シリアにおけるイランとシリアの軍事連携、ヒズボラなどのテロ組織への支援工作に関与した[2][3]。アメリカ合衆国から特別指定国際テロリスト(SDGT)に指定されている[4]。
日本語では「ラジ・ムサビ」[5][6][1]の他、「セイエド・ラジ・ムサヴィ」[7]、「サイード・ラジ・ムサビ」[8]といった表記がある。
経歴
イラン・イラク戦争中にザンジャーンの革命防衛隊部隊で活動し、1980年代からシリアおよびレバノンを往来していた。後年はシリアにおける革命防衛隊ゴドス軍の支援・兵站管理を担当し、シリアおよびレバノンへの兵員・武器移送を監督したほか、ガーセム・ソレイマーニーら革命防衛隊司令官のシリア滞在時の兵站・護衛にも関与していた[9]。
テロ組織支援網の構築・指揮
ムサビは、ゴドス軍のシリア・レバノン方面の兵站機構とされる2250部隊を率いた。2250部隊は、レバノン方面を管轄するゴドス軍の2000部隊(レバノン軍団)の下部組織として設けられた兵站部門で、「レバノン軍団支援局」とも呼ばれ、イランからシリアへ到着する武器、装備、人員の受け入れ、シリア経由でのレバノン方面への武器移送、ヒズボラなどイラン枢軸のテロ組織への支援を担った。部隊はシリア・ダマスカスに本部を置き、ラタキア、ハマ、アレッポ、デリゾールなどシリア各地に拠点を有した[10][11][12]。
ムサビはその2250部隊の指揮官として、シリアにおけるイランの軍事的定着とヒズボラへの兵站支援に関与した[12][13][14]。
ムサビの活動の中心は、シリアを経由したイラン枢軸の各テロ組織への支援網の維持であった。アメリカ合衆国財務省は、ムサビは、イランのヒズボラ支援の「重要な導管」であったとしている[3]。ムサビは、地上・海上・航空ルートなど様々な武器移送ルートを支配し、イランから到着する旅客機の荷下ろしを自ら監督することもあったという[11][15]。
また、ムサビは、シリアでイランが支援する民兵組織への支援に関わっていた。イランは、こうした民兵組織を通じて、イスラエルや中東駐留米軍に攻撃圧力をかけてきた[16]。
シリア内戦での暗躍
ムサビは、シリアにおけるイラン側の軍事・兵站調整の役割も担い、シリア内戦では当時のアサド政権を支援するイランの軍事介入に関与した。シリアとイランの軍事同盟の調整を担当し、1990年代からシリアでゴドス軍の支援・兵站を担った古参幹部として、内戦開始後はアサド政権の支援・維持に暗躍していたとされる[2][17]。
ダマスカス郊外でアサド政権反対派を対象とした「サハラ作戦」にも関与したともいわれる[9]。
最期
テロリスト指定・制裁
アメリカ合衆国財務省外国資産管理局(OFAC)は、2010年8月3日にムサビを特別指定国際テロリスト(SDGT)に指定した。ムサビはシリアを拠点とするイラン当局者であり、レバノンのテロ組織ヒズボラに金融・物的支援を提供した人物であることを指定理由とした[3]。
OFACの制裁リストの制裁プログラム欄にはSDGTおよびIFSR(イラン金融制裁規則)が記載されている[4]。