ミランの最も重要な作品は、1536年に出版されたビウエラのための楽譜集『エル・マエストロ(El Maestro)』である。これはビウエラ音楽の歴史上初の出版譜集であり、様々な難易度の幻想曲、パヴァーヌ、ビジャンシーコ、ソネット(イタリアのソネットに曲を付けたもの)などが含まれている。この楽譜集は、初心者から上級者までが段階的に学べるように構成されており、当時のビウエラ演奏の実践に関する貴重な情報を提供している。また、この作品には音楽のテンポを言葉で指示する記述が含まれており、これは音楽史において画期的な試みであった。
晩年の1561年には、『エル・コルテサーノ(El cortesano)』を出版した。この著作は、カスティリオーネの『廷臣の本』に倣い、バレンシア公爵宮廷の生活を生き生きと描写したものであり、音楽作品ではないものの、当時の宮廷文化や音楽家の生活を知る上で貴重な資料となっている。