写実主義
美術上、文学上の主張
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主な写実主義
- ルネサンス以降の美術は現実をそのまま表現することを目指してきたため、広義の写実主義と呼ぶことができる。その流れは西洋美術の伝統となり、権威付けられた。フランスで伝統の牙城となった芸術アカデミー主体のエコール・デ・ボザールの写実主義は、象徴主義や印象派から批判された。
- 19世紀フランスではロマン主義の風潮に対抗し、ギュスターヴ・クールベが写実主義を主張した(レアリスム宣言)。
- 文学史上の写実主義としてはフランスのギュスターヴ・フローベールやオノレ・ド・バルザック、イギリスのチャールズ・ディケンズ、ロシアのフョードル・ドストエフスキー、ブラジルのマシャード・デ・アシス、ポルトガルのエッサ・デ・ケイロスが知られる。
- ロシア革命の後、社会主義リアリズムが唱えられた。
- 近代日本では坪内逍遥が『小説神髄』で戯作や勧善懲悪を否定し、写実主義を主張した。
- 中国では茅盾が写実主義文学作家として知られる。『子夜』や『中国的一日』が代表作である。
現代の写実絵画との違い
19世紀のクールベらによる古典的な写実主義(リアリズム)が、肉眼による三次元的な観察(写生)と画家の思想的立場を重視していたのに対し、20世紀末から21世紀の美術市場で広く流通している「写実絵画」には、制作工程や芸術性の面で大きな変質が生じていると指摘されている。現代の写実絵画では、写真を基盤としたグリッド法(画面をマス目状に分割して形態を転写する方法)や、プロジェクターを用いた画像投影による輪郭線のトレース(転写)が広く用いられている。これらは形態を正確かつ効率的に捉えるための補助手段として合理的な技法である一方で、美術批評やデッサン技術の観点からは、カメラによって二次元化された情報の拡大・複写に依存するため、古典的な写生とは本質的に異なる制作態度であるとする見解もある。
また、現代の美術市場やメディアにおいては、こうした機械的・数学的な転写技法の実態が十分に説明されず、「作家の観察眼や純粋なデッサン力によって生み出された作品」として精神性を強調するプロモーションが行われる場合があると指摘されている。展示や解説において作家個人の主観的・叙情的なエピソードが強調されることで、技法的背景や美術史上の位置づけが曖昧にする点も、現代の写実絵画をめぐる批評の対象となっている。
関連項目
- ミメーシス (アウエルバッハ) - ヨーロッパ文芸の現実描写、文体、リアリズムの歴史について述べた書籍
- リアリスト芸術家
- スーパーリアリズム
