ロテノン

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ロテノン
構造式
識別情報
3D model (JSmol)
ECHA InfoCard 100.001.365 ウィキデータを編集
KEGG
特性
化学式 C23H22O6
モル質量 394.41
外観 無色から赤色の固体
密度 1.27, 固体 (20℃)
融点

165–166

沸点

210–220 (at 0.5 mmHg)

特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ロテノン (rotenone) は無臭の化合物で、フェニルプロパノイドの一種である。殺虫剤殺魚剤農薬として広く効果を持つ。天然にはある種の植物の根や茎に含まれる。ラットに投与するとパーキンソン症候群の原因となる。毒物及び劇物取締法により劇物に指定されている[1]

エマニュエル・ジョフロア (Emmanuel Geoffroy) がフランス領ギアナを旅行していた際に、Robinia nicou、現在でいう Lonchocarpus nicou の標本から初めて見出した[2]。この研究は彼の学位論文で扱われるところとなったが、寄生虫感染症で死去したため爾後1895年に発表された[3]。その後の研究により、かつてジョフロアがニコウリン (nicouline) と名づけた物質はロテノンと同一であることが示された。

用途

溶液が農薬殺虫剤として用いられる。

また、粉末もしくは乳液として、望まれない種の魚類(本来の生息地が異なる外来魚など)の管理・除去に使われる[4]。ロテノンを植物から抽出し、水中に散布することによって魚を捕らえる方法が知られている。ロテノンを使うと魚が水面に浮かび上がり、容易に捕らえることができる。根を砕いて使う初歩的な方法であるが、さまざまな原住民によって使われた[5]。ロテノンは消化器からは吸収されにくいため、このようにして捕らえた魚は食用に供することができる。一方、魚の場合ではえらから血液中に容易に取り込まれる。

粉末はニワトリなどの家禽に寄生するダニの駆除にも使用される。

作用機序

ミトコンドリア中の電子伝達系を阻害することによって効果を発揮する。具体的には、呼吸鎖複合体I中の鉄・硫黄中心からユビキノンへの電子の移動を妨げる。これによってNADHからATP(細胞のエネルギー源)への変換が行われなくなる。

植物での存在

毒性

参考文献

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