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カイマン男

コロンビアの伝説上の生き物 From Wikipedia, the free encyclopedia

カイマン男(カイマンおとこ)[3]あるいはワニ男[4](スペイン語: El Hombre Caimán、オンブレ・カイマン)は、南米コロンビアに伝わる獣人である。覗き見行為が祟って、上半身が人、下半身が鰐(カイマン)の姿に変えられたという1940年代頃の都市伝説である[5]。

カイマン男(プラト村)

伝承

コロンビアのカリブ海沿岸、マグダレナ川に沿うプラト(スペイン語版)村に起きた話として伝わる[6]。村のサウル・モンテネグロ[注 1]という漁師は、マグダレナ川で沐浴する女性たちを眺めるのが好きだった。しかし、それがバレるのは恐かった。そこでアルタ・グアヒーラ(スペイン語版)のインディオ女性(異聞では魔女やピアッチェだとする[注 2])より、ワニ(カイマン)に変身できる秘薬を求めた。魔女は、ワニに変身する赤い薬と、人間に戻る白い薬を渡した。モンテネグロはしばらくそれらを使って、ぞんぶんに覗き見を楽しんだ[9][10][11]。

ある日、いつもの共犯者の友人(飲み友達)が来られなくなったので、別の者に代行して、人間戻りの白色薬を浴びせる役を頼み込んだ。だが慣れない男はワニの姿になったモンテネグロを見て、びっくりして薬瓶を割り、中身をこぼしてしまった。一部がサウルの頭にかかり、彼の頭は元に戻ったが、残りの体はワニのまま残ってしまった。それ以来、女たちは恐れて川で水浴びをしなくなった[10][11][9][12][10]。

そしてプラト村の安泰のため、漁師たちでカイマン男を狩ると決まった[11]。彼らはサウルを見つけて棍棒で滅多打ちにしたが、報復を恐れてうっかり外出できなくなってしまった。「トカゲ(lagarto)」と蔑まれたサウルに、唯一母親だけが、恐れずに接していた。母は、毎晩、(岩間に隠れて水浴びする場所に[10])やってきて、彼の好物[12]、すなわちチーズ、ホエー、魚、キャッサバ(ユッカ)など料理の皿、そしてときおりラム酒の小瓶を置いていった[10]。何とか元の姿に戻そうと、代父母に十字を切らせたり、教区司祭の祝福を得たり、はては聖金曜日の真夜中に黒猫を生き埋めるなど、邪を祓うと聞いて試してみたが、何の効き目もない。母親は意を決して旅立ち、薬を作ったインディオの魔女(ピアッチェ)を探したが、魔女は死んだと知った。三年後、プラトに戻った彼女は(悲嘆に暮れて[11])死んだ[10]。

カイマン男は誰も世話をする者がおらず、ひとり残された。彼は、マグダレナ川の河口、バランキージャ近くのボカス・デ・セニサで、川に身を任せて海に出ることにした。それ以来、プラトからボカス・デ・セニサ(英語版)までのマグダレナ川下流域の漁師たちは、今でも川や沼地の川岸でカイマン男が出現したら、なんとしても狩ってやろうと目を光らせているという[11][12][13]。

この話は1940年代、バランキージャの地元新聞《ラ・プレンサ》誌で取り上げられたと言われるが、廃刊しており、当時の切り抜き記事を読んだという情報筋も、現在の取材調査ではみつからなかった[5]。

大衆文化

プラトでは、毎年恒例でカイマン男祭りが行事される。カイマン男を称える広場と記念碑(彫像)もあり、住民の文化遺産の一部となっている[11][12][5]。カイマン男伝説は、バランキージャ出身の歌手ホセ・マリア・ペニャランダ(スペイン語版) の歌「Se va el caimán(アリゲーターは行く)」のテーマとなっている[14][5]。

朝日新聞系の書籍紹介コーナー(ホセ・サナルディ『南米妖怪図鑑』と著者インタビュー)では「デバガメするワニ男」などと銘打っている[2]。

注釈

  1. Saúl Montenegro
  2. カリブ語: piache や ポルトガル語: pajé(トゥピ語が語源)はいずれもメディスンマンを意味する[7][8]。あまたのスペイン語文献でも、piache=curandero, curandera だと略説され、すなわちクランデーラ(スペイン語版)、こと女性のメディスンマンかシャーマンだとする。

脚注

関連項目

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