ワンガラ族
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『スーダーン年代記』が引用するマリ王国の資料においては、自分たちマリンケ人とワンガラ人とを、社会における職業の違いにより区別している。前者マリンケ人は王族や戦士であるとし、後者ワンガラ人は「諸王の宮廷に仕え、国から国へと砂金を運んで渡り歩く商人」としている。
「ワンカラ( Wanqara )の国」の湖水地方の東の端に位置したティラッカ( Tiraqqa )は、トンブクトゥの前身である。当地はこの地方にいくつかあった活発な商取引が行われた町のうちの一つである。10世紀と11世紀においては、ガーナ王国から来たキャラバンとタードマッカから来たキャラバンとが出会う場所であり、ガーナ王国の属国であった。地理学者イドリースィーはティラッカを「ワンカラ( Wanqara )の町の一つ」とし、大きな町で人が多く、城壁がないと記し、「ガーナ王国の支配者に隷属しているが、そのことについては争いがある」と語っている。ティラッカは13世紀まで重要な市場として機能し、のちにトンブクトゥがその地位をとって代わった。
金の交易商人であったのみならず、彼らの活動は世界システムにおける金の取引を仮想的に独占した。イドリースィーはワンガラ人の国について次のように書いている。「町々は繁栄し、名高い砦もある。そこの住人は金を潤沢に所有するがゆえに豊かである。あまたの質の良い品々が、地上における彼らの国の外から持ち込まれている。」