下オリーブ核
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下オリーブ核(かオリーブかく、inferior olivary nucleus)は延髄の錐体の外側にあるオリーブ体を構成する神経核である。小脳歯状核に似たアルファベットのCの形をしたものが主核である。その背側に背側副オリーブ核と腹側副オリーブ核がある。主核の内側に開いている部分を門といい、小脳に向かう出力線維が通過する。この出力線維は交差して反対側の下小脳脚に向かい登上線維(とじょうせんい、climbing fiber)ともよばれる。
下オリーブ核では通常のシナプス結合に加え電気シナプスが形成されており、主核自体が電気的に同期した活動をしている[1]。下オリーブ核の出力は登上線維となり小脳皮質の分子層でプルキンエ細胞と多数のシナプス形成をする。1本の登上線維は小脳皮質の前後方向に1 - 10個のプルキンエ細胞とシナプスを形成するが1個のプルキンエ細胞は1本の登上線維としかシナプスはつくらないのが特徴である。
登上線維は下オリーブ核の電気的に同期した活動を伝える興奮性線維であり小脳皮質の前後方向の複数のプルキンエ細胞に直接シナプス接続する。登上線維によるプルキンエ細胞への強力な入力は小脳皮質の前後方向のプルキンエ細胞に協調運動のための時間的情報を伝達し、また苔状繊維から平行線維を介して小脳皮質の左右方向に体性感覚の位置情報が伝達され、この両者によって協調運動の時空間的な制御が行われていると考えられている[2]。
下オリーブ核の主核と副核で出力線維がシナプス形成する場所が異なる。主核の投射線維は小脳半球の全体に分布する。副核の投射線維は虫部と中間部に分布する。入力線維にはダルクシェヴィッツ核、カハール間質核、上丘など視覚に関連した神経核や中脳中心灰白質、赤核、大脳皮質などから入力を受ける。