人間の境界

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脚本
  • マチェイ・ピスク
  • ガブリエラ・ワザルキェビチ=シェチコ
  • アグニエシュカ・ホランド
製作
  • マルチン・ビェシュホスワフスキ
  • フレッド・バーンスタイン
  • アグニエシュカ・ホランド
音楽 フレデリック・ベルシュバル
人間の境界
Zielona Granica
監督 アグニエシュカ・ホランド
脚本
  • マチェイ・ピスク
  • ガブリエラ・ワザルキェビチ=シェチコ
  • アグニエシュカ・ホランド
製作
  • マルチン・ビェシュホスワフスキ
  • フレッド・バーンスタイン
  • アグニエシュカ・ホランド
音楽 フレデリック・ベルシュバル
撮影 トマシュ・ナウミュク
編集 パベル・ハリチカ
配給
  • ポーランドの旗 Kino Świat (en) 
  • フランスの旗 Condor Distribution
  • 日本の旗 トランスフォーマー
公開
  • ポーランドの旗 2023年9月22日
  • フランスの旗 2024年2月7日
  • 日本の旗 2024年5月3日
上映時間 152分
言語
  • ポーランド語
  • アラビア語
  • 英語
  • フランス語
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人間の境界』(にんげんのきょうかい、原題:Zielona Granica、英題:Green Border)は、2023年のドラマ映画である[1]アグニエシュカ・ホランドが監督・脚本・製作を務めた[1]。ポーランド、フランス、チェコ、ベルギー合作[2][3]。ベラルーシ政府による、ポーランドへの大量の難民移送という対EU策略の中で、「人間兵器」として利用される亡命希望者たちを巡る物語を、モノクロ映像で描く[4]。映倫G区分[1]、上映時間152分[1]

第80回ヴェネツィア国際映画祭では金獅子賞にノミネートされ、その他でも複数の賞を受賞するなど国際的に高い評価を受けた一方で、当時のポーランド政権からは苛烈な非難を浴びた[5]。政府側は「映画は事実と異なる」というPR動画を上映するように劇場に命じたが、多くの独立系映画館はその命令を拒否した[6]

1.家族(The Family)

ベラルーシポーランドの間、湿地の森が形成する「緑の国境」の中には、ヨーロッパを目指す中東やアフリカからの難民が数多く潜んでいた。ベラルーシの独裁者アレクサンドル・ルカシェンコがEUに混乱をもたらすために引き起こした策略で、彼ら難民は、隠れた戦争の駒として扱われ、大量にポーランドへと送り込まれる。しかし、ポーランド側も、国境を越えた難民たちをベラルーシ側へと強制的に送り返していた。

本作は4つの章とエピローグから構成される。各章は国境付近で異なる視点を中心に展開し、国境近くに暮らすユリア、若い国境警備員ヤン、そしてシリア難民の家族の日々が交錯する。

2021年10月、シリア内戦の惨禍から逃れてきた夫のバシール、妻のレイラ、息子のヌール、娘のガリア、乳児、祖父モハメドの一家はベラルーシ・ポーランド・ドイツを経由してスウェーデンへの亡命を目指す。ベラルーシのミンスク空港に到着後、タリバン支配からの逃亡を望む、英語を話すアフガニスタン人の女性アミーナも同行し、密航業者の手引きで輸送車に乗り国境へ向かう。

ベラルーシ=ポーランド国境にあるビャウォヴィエジャの森に到着した一行は輸送車から降ろされ、ベラルーシの国境警備隊によって強制的にポーランド側に押し込まれる。一行は水や食料に乏しい森の中で雨や飢え、泥に苦しむ。レイラは子供たちの世話に追われ、モハメドの病弱な体を支える。難民グループ内の文化的な対立で、シリア人とアフリカ系難民の間で緊張が生じるが、共通の苦難が一時的に結束を生む。レイラは地元農民に助けを求めるが、農民はポーランド国境警備隊に通報する。警備隊は一時的に難民たちを落ち着かせるが、増援が到着すると彼らをほかの難民たちと共にベラルーシ側に送り戻す。ベラルーシ側では警備隊がモハメドを殴打し、難民たちを鉄条網越しに強引に追い返す。

2.国境警備隊(The Border Guard)

ポドラシェ地方の国境警備隊で訓練が行われている。指揮官は難民を「プーチンルカシェンコの武器」「生ける銃弾」と呼んで警戒を促す。まもなく父親になる若い警備隊員ヤンは理想主義者で、国境を守る義務感から任務に就いている。ヤンは仕事の休みに古い廃屋を改修しているが、自分がいない間に難民たちがそこに居座っているのを発見するが逃げられる。ヤンの妊娠中の妻は食料品店でユリアという女性と出会う。ユリアはレジで国境警備隊員たちに妊婦を優先させるよう頼む。

3.活動家(The Activists)

マルタが率いるNGOの活動家グループはポーランドへの亡命を求める難民を支援している。負傷した難民を治療し、食料や水を提供し、タリバンやイスラム国からの逃亡話を録画するなどの活動をこなす中で森でバシール一家らの難民たちを発見し、ベラルーシ側で殴打され負傷した妊婦を救うため、救急車を呼ぶが、それに伴い到着したヤンを含む国境警備隊が夜間に難民たちをトラックに詰め込みベラルーシ国境に送り返してしまう。立入禁止区域に関する法律と人身売買容疑のリスクのため、活動家たちは移民たちをこれ以上支援することができない。

トラックが国境付近へ到着し、警備隊がベラルーシ側へ難民を乱暴に送り返そうとしたため乱闘が発生し、その最中ヌールとレイラは走って森へと逃げ込む。負傷して自力で動けない妊婦の難民は、警備隊によって鉄条網のベラルーシ側へ放り投げられる。翌日の昼間にはその警備隊は酒宴を開いて騒ぐ。その夜、ヤンの妻は妊婦が投げ捨てられるニュース映像に夫の姿を確認し、その任務に疑問を感じはじめる。

4.ユリア(Julia)

精神科医である未亡人のユリアは、立ち入り禁止区域に入ったとして国境警備隊から罰金を科せられる。リモートで患者ボグダンと会話したあと、夜の散歩中に助けを求める声を聞き、沼地を渡って溺れかけたレイラとヌールを発見する。ユリアは救出を図るも1人では力が足りず、助けを呼ぶ。レイラは救出されたが、ヌールは泥に沈んで死亡する。ユリアはレイラと同じ病院に運ばれ、レイラの支援に来ていたマルタの活動家グループを知る。ユリアはレイラが病院からポーランド当局に引き渡される現場を目撃し、再び国境の森に送り返されることを知ると、マルタのグループに加わることを決意する。ユリアは自宅を提供し支援の方法を学んでいく。

ベラルーシ側ではバシールたちがヌールの死を知る。モハメドが再び殴打され、難民たちが押し戻される。

夜間のパトロール中、ヤンと同僚は難民の遺体を発見し、ベラルーシ側に投げ捨てる。この経験がトラウマになり、ヤンの感情は崩壊していく。

活動家グループは負傷して動けなくなったモロッコ人難民のアフマドと遭遇するが、歩いて連れ戻すことができなかったため、アフマドを一晩そこに残すことになる。それに反対するユリアは夜、単独で救出を試みるが、もうそこにアフマドはおらず、立ち入り禁止区域への侵入で警備隊に逮捕される。釈放された後、ユリアは二度と誰も置き去りにしないと決意する。

ユリアの患者ボグダンは難民の人権を侵害し、不当に扱う差別主義の右派政権に怒りを持っており、アフリカから来たフランス語を話す十代の移民数人を受け入れている。ユリアたちは救出を求める他の難民を見つけ、おとりを使って国境警備隊を出し抜きつつ、ボグダンの家に送り届けることに成功する。

バシール一家とアミーナは国境を越えポーランドで乞食をしながら生き延び、密輸業者と遭遇してトラックの荷台に匿われる。道中二人のポーランド人警官に呼び止められ、そのうちの一人はヤンだった。ヤンは車両を検査し、トラックの荷台にバシールがいるのを見つけたが、無視して一家を解放する。

エピローグ

ロシアがウクライナに侵攻した後の2022年2月26日、ポーランドとベラルーシの国境で難民が受けた残酷さとは全く対照的に、ウクライナ難民が容易にポーランドに入国する。最後に、ウクライナ戦争では最初の2週間で200万人もの難民がポーランドに受け入れられた一方で、2014年以降3万人もの難民がヨーロッパの海陸森で命を落とし、現在もポーランド=ベラルーシ国境で難民の命が失われ続けていることが示される。

キャスト

  • ジャラル・アルタウィル - バシール[7]
  • マヤ・オスタシェフスカ - ユリア[7]
  • トマシュ・ヴウォソク - ヤン[7]
  • ベヒ・ジャナティ・アタイ - レイラ[7]
  • モハマド・アル・ラシ - 祖父[1]
  • ダリア・ナウス - アミーナ[7]

評価

脚注

外部リンク

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