冷凍冷蔵車
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歴史
最初の機械的方法による冷凍冷蔵車は、1925年頃にアメリカのアイスクリーム業界により導入された [1] 。
1940年頃からアメリカの物流業界において、貨物を低温に保ったまま輸送するコールドチェーンが導入された。フレデリック・マッキンリー・ジョーンズ が考案して出願したトラック用冷蔵装置の特許は、1940年7月12日に成立した [2] 。彼が創立した U.S. Thermo Control Company (現:Thermo King、サーモキング社)は、現在でも車載用の冷凍冷蔵装置で全世界において高いシェアを有している。
コールドチェーンの概念と冷凍冷蔵車が広く普及して以降、生鮮食品や医薬品(例えばワクチン)などの広域・遠距離流通と長期間保存が可能となった。
種類
- 冷却方式による分類
冷却方式としては、機械式(具体的には冷凍機を動かすもの)と、直接的な冷却方法(たとえば氷やドライアイスまたは液体二酸化炭素、または液体窒素を使うもの[4])に大別できる
- 機関直結式(単に直結式とも) - 機械式の一種で、冷凍機の動力源として自動車本体のエンジンを使用する。貨物自動車(トラック)で主流。
- 独立機関式(サブエンジン式とも) - 小排気量の専用エンジンを別に搭載する方式。
なお多くの冷凍冷蔵車は、エンジンを動かせない環境(フェリーによる輸送中など)でも荷台部分の温度を維持するための「スタンバイ装置」を搭載しており、外部電源を繋いで冷凍機を動かせるようになっている[5]。燃料電池(水素を使い、水のみを排出するクリーンな電源)を補助電源に使う方式の研究も行われている[6] 。
- 実装法・運用法による分類
- トラックまたはバンの荷室を改造した特装車
- セミトレーラー形式でトラクタートラックで牽引されるもの
- 冷凍・冷蔵コンテナをトレーラーやドーリー(台車)に搭載するもの - コンテナ内蔵の冷凍機さえ動いていればコンテナごと積み替えることが可能で、国際的な輸送や長距離輸送で利点が大きい。ただし外寸はISO規格(日本国内であればJIS規格)の規定に沿う必要があり特装車に比べ長尺・大型である。
- なお、冷凍冷蔵車を含むトラックをそのまま鉄道の貨車(長物車・車運車)に積載するピギーバック輸送もアメリカやヨーロッパでは行われている
- 冷凍冷蔵装置を搭載したボルボ・FE
- G-3 Resources LLC社のトラクター及び冷凍冷蔵セミトレーラー
主要製造メーカー
- サーモキング - アメリカ、トレイン・テクノロジーズ傘下の車載式大手空調機メーカー。
- キャリア - アメリカ、レイセオン・テクノロジーズ傘下の車載式大手空調機メーカー。日本では東芝と提携して東芝キヤリアとして展開。
- FRIGOBLOCK(フリゴブロック) - 欧州における車載式空調機器大手企業。ドイツに本社を構えトレイン・テクノロジーズ傘下企業となる。
- 東プレ - 車載式空調機を開発する日本の最大手メーカー。
- 菱重コールドチェーン - 車載式空調機大手の三菱重工業グループ企業。
- デンソー - 車載式空調機を開発する国内メーカー。
- 東光冷熱エンジニアリング - 主に小型車向けの空調機を専業とする国内メーカー。
- ダイキン工業 - 大手空調機メーカー。主にインターモーダルコンテナ向け。
軍の冷凍冷蔵車
アメリカ軍
アメリカ軍は食料品や医薬品など温度管理が必要な物資の貯蔵・輸送のために、軍用規格に適合したリーファーコンテナを使用しており、 標準的なISOコンテナ(主に10フィート型や20フィート型)をベースに、-20℃から20℃の範囲で調整可能で、冷蔵・冷凍の両方に対応できるよう設計したものを使用しており、ディーゼル発電機を装備し外部電源がない場所でも一定の温度を維持できるものが多い。国際規格の「ISU 96」規格に沿ったコンテナは、電源もしくはディーゼルエンジンによる冷蔵・冷凍コンテナであり、冷蔵エリアに加えて260立法フィートの空間を持つものである[7]。リーファーコンテナも電源もしくはディーゼルエンジンで冷却し、 (華氏) -25 Fから +125 Fの範囲で温度設定でき、米軍ではそれを野菜、肉、医薬品の供給に使用している[7]。10フィートという短尺の冷凍・冷蔵コンテナも用意している[8]。米軍は冷凍・冷蔵コンテナをトラック、列車、船舶など様々な輸送手段で汎用的に使用しており、米軍のトラックに積載する形でも使う。
- 製造業者
米軍向けの冷凍冷蔵機器やコンテナの製造には、いくつかの専門企業が関わっており、例えばKlinge Groupは米国防総省や各国軍隊向けに軍用規格の冷凍冷蔵コンテナを設計・製造している主要な企業の一つである[8]。
- 日本の冷凍冷蔵車にまつわる逸話
戦後、日本に米軍が駐留したが、当時アメリカではすでにコールドチェーン(低温物流)が重視されていたため、米軍は日本でも米軍人の各家庭にアイスクリームを届けることを望んでおり、それには冷凍冷蔵車が必要で、日本側に対して要請があり、福岡運輸の女性社長と矢野特殊自動車がその要請に応じ、難題だったが米軍から払い下げられたトラックと冷蔵庫を研究して低温・定温輸送が可能な冷凍車を福岡市で完成させたという[9]。その歴史を知る人は、それが"戦後日本の冷凍車第一号"と言う[9]。
陸上自衛隊


日本の陸上自衛隊の装備品にも冷凍冷蔵車がある。主に需品科が運用。後方支援連隊補給隊(以前は師団補給隊)、需品教導隊等が装備する。生鮮食品等の輸送・保管に使用される。
冷凍装置、冷凍ユニット(市販車はこれらに加えボデー)から構成される。当初は、市販されている冷凍冷蔵車を競争入札で調達していたが、自衛隊の国際活動の活発化により不整地の走破能力が重視されるようになり、2000年(平成12年)度調達車から4WD仕様となった。さらに、2008年(平成20年)度調達車からは基準車(3トン半(73式大型トラック))ベースのシェルタ搭載仕様となった。
次の業務では派遣部隊への給食支援に使用された。
- 東ティモールでのPKO(おもに2002年から2004年)
- イラク人道復興支援業務(2004年〜2009年。陸上自衛隊は2004年1月~2006年9月、すなわち約2年半)
- 諸元
- 全長:8,000mm
- 全高:3,000mm(市販車タイプ)・3,300mm(基準車タイプ)
- 全幅:2,500mm
- 車体重量:9,500kg(市販車タイプ)・10,700kg(基準車タイプ)
- 最大積載量:15.5立方メートル、3,500kg(市販車タイプ)・3,000kg(基準車タイプ)
- 最高速度:80km/h
- 出力:130PS(市販車タイプ)・150PS(基準車タイプ)
- 庫内温度:外気温度38℃のとき5℃~-18℃(市販車タイプ)・0℃~-18℃(基準車タイプ)
- 能力:1日あたり13,000人の支援が可能
- 製作業者
- 市販車タイプ
- 三菱自動車工業(現:三菱ふそうトラック・バス)
- 日産ディーゼル工業(現:UDトラックス)
- いすゞ自動車
- 日野自動車
- 市販車タイプ(4WD・平成12年度以降調達車)
- いすゞ自動車
- 日野自動車
- 基準車タイプ(平成20年度以降調達車)
- いすゞ自動車(車体)・東プレ(冷凍装置および冷凍ユニット)