初任給
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それまで家族の扶養のもとで学生生活を行っていた人が、そこから自立し、自活するようになる第一歩の象徴であり、初任給を受け取ることは一種の通過儀礼ともいえる。それまでの感謝の意味をこめて、初任給を使って家族に贈り物をする人も多い。
日本における初任給の金額は、学歴と職種による変動はあるものの、個人の能力などによる差は少ない。そのため、職種ごとの給与水準や、時代ごとの物価水準を比較するための指標としてもしばしば用いられる。この場合、通常、最初の1ヶ月(新卒入社の場合は4月分)の労働の対価として支払われる月給の額を用いる。
初任給は住民税が引かれておらず、翌年6月から税金が控除されると給料の手取り給与(差し引き支給額)が少なくなるので2年目以降の手取り給与が初年度のそれより減額となる場合が多い。
調査による初任給の実態
令和7年賃金構造基本統計調査によれば、10人以上の常用労働者(雇用期間が1か月以上又は期間が定められていない労働者)を雇用する民間事業者の初任給は通勤手当を含めた金額であるが、大学卒で約26万2,300円、大学院卒(修士卒と博士卒)は約29万9,000円、短大・高専卒で約23万5,500円、高校卒で約20万7,300円程度とされている。
また、同じ大卒でも産業別で見た場合は、「鉱業,採石業,砂利採取業」は約30万9,600円に対して郵便局や農協(JA)、森林組合などの「複合サービス事業」は約23万6,300円と約7万3,300円の差が生じている。そして、企業規模別で見た場合は、1,000人以上は27万3,400円に対して、10~99人の場合は24万2,400円と産業別で見た場合よりは差は小さいが約3万1,000円の差がある。更に、産業別と企業規模別を組み合わせた場合、1,000人以上の「鉱業,採石業,砂利採取業」は約44万5,700円に対して、10~99人の「宿泊業,飲食サービス業」は約21万6,100円と2倍以上の差が生じている[1][2]。
賃金構造基本統計調査とは別に労務行政研究所の調査によると、2025年度の東京証券取引所プライム市場の上場企業197社の新入社員の初任給の水準は、大学卒で25万5,115円、大学院卒修士27万3,327円、短大卒22万1,640円、高校卒で20万6,523円程度とされている[3]。
ごく一部の企業の初任給
人手不足を背景に以下の企業を含めた企業のごく一部であるが、初任給を30万円以上にする企業も出てきている。
- ファーストリテイリング:ユニクロを運営するファーストリテイリングは、海外勤務の可能性があり全国転勤と部署異動を伴う職種に採用された専門学校及び短大卒以上の場合は2026年3月入社の初任給を37万(転居を伴わない異動のみの職種の場合は28万円)にしており[4]
- 三井物産:海外・全国転勤を伴わない転勤が原則として採用地と同一地域(但し、地域支店・関係会社への出向あり)の職種は大学卒(2026年卒)で33万[5]
- 三菱商事:海外・全国転勤を伴う職種は大学卒(2025年度実績)で34.0万円であり、転居を伴う異動がないバックオフィス職(事務業務・補佐業務等の職務を担当する。)は25.0万円[6]と30万を超えている。
- 東京海上日動火災保険:2026年4月より転居を伴う転勤に同意して実際に転勤する場合の大学卒の初任給を39万3,780~42万7,780円と転勤先までの距離などに応じる形で幅を持たせる形で増額している。また、転勤が無い場合は29万3,780円である[7][8]。
- サイボウズ:就業経験が1年未満の既卒を含めた2027年4月入社の場合で開発・技術系職種の場合は、固定残業時間40時間を含めた月給43万円(固定残業時間40時間を除いた月給は約32.76万円。想定年収は、固定残業代とボーナス2か月分を含めた602万円)、ビジネス系職種は固定残業時間40時間を含めた月給40万円(固定残業時間40時間を除いた月給は約30.475万円。想定年収は、固定残業代とボーナス2か月分を含めた560万円)である[9][10]。
- 地主株式会社:2026年4月入社の場合で、固定残業時間30時間(1ヵ月の残業時間が30時間未満でも満額支給)を含めた月給50万円(固定残業時間30時間を除いた月給は約37.325万円)[11]。
そして、2026年1月29日5時00分に配信された東洋経済の記事より、就職四季報に掲載されている企業に限るが、大卒の初任給が30万以上の企業が2025年4月時点で54社存在している。また、就職四季報に掲載されている企業全体の約4分の3が25万以上であった[12]。