大分市田ノ浦にある小さな岬で、別府湾が一望できる景勝地として別府三勝に選定された。磯部には鶴ノ松という松の大木があり、その美しい枝ぶりは有名であった。別府湾の青さに松の緑がよく映え、さらに遠く佐賀関の煙突や国東半島、晴れた日には愛媛県まで見渡せる景色のよさはすばらしいと評判も高く、別府三勝の中でも特に観光客の多かった場所である。さらに岬の崖上は仏崎公園として整備され、桜の木がたくさん植えられ、春は花見客で大変賑わった。
戦後は、仏崎公園は荒廃し、道路の拡張により鶴ノ松も伐採されたため仏崎は観光名所というほどの場所ではなくなってしまった。1961年(昭和36年)には集中豪雨により崖崩れが起き、別大電車埋没という非常に痛ましい事故が起きた。この事故は、今でも別府近辺の住民にはよく知られており、仏崎というとこの事故を連想する人が多く、観光地として繁栄を極めたイメージはあまりない。なお、現在の仏崎は国道10号の改良により岬の形をあまりとどめていない。
別府市東山にある湖で、鶴見岳の噴火によりできたと伝えられている。鶴見岳および由布岳の投影美や、湖畔に植えられた桜、また秋の紅葉や冬の樹氷の美しさで名高く、家族連れや新婚旅行客がボート遊びに興じる姿が目立った。すぐ側にある神楽女湖や猪ノ瀬戸湿原、城島高原と並んで市街地の喧騒とは無縁の静かな場所であり、別府の自然の豊かさを観光客にアピールすることに成功し、別府観光の発展に一役買った場所である。
戦後、仏崎および内山渓谷が観光地としては廃れてしまったのに対して、志高湖だけは今でも観光客が訪れ、別府市民や近隣市町村の住民にも広く親しまれている。ボート遊びや花見、紅葉狩りだけではなく、夏には火祭りが催され様々な楽しみ方ができる。志高湖が別府三勝に制定された時から90年ほど経過した現在でも、鶴見岳や由布岳は変わらぬ姿で湖水に浮かんでいる。
明礬温泉から林道を登ったところにある渓谷で、内山や鶴見岳が間近に迫っており、その雄大な景色に大勢の観光客が集まった。現在は道路の荒廃により普通自動車で近寄ることは困難であるが、戦前は自動車で訪れることができたので、誰にでも気軽に行くことのできる渓谷ということで家族連れも多かった。東山の由布川峡谷や浜脇の河内渓谷と並んで、別府名所としてPRされていた。
戦後、道路の荒廃により自動車で近寄ることが困難になったことから観光客は激減した。今では、明礬温泉から内山渓谷に至る林道から支線に入ったところにある「へびん湯」や「鍋山の湯」の方が「秘湯」として広く知られており、内山渓谷の存在はあまり知られていない。内山渓谷に至る道路を再整備して、観光地として復活させるだけではなく別府市民の憩いの場としたらどうかという声もあるが、先述した通り一度自然が荒らされた経緯があるので、非常に難しい問題である。