前橋市連続強盗殺人事件

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前橋市連続強盗殺人事件(まえばしし れんぞく ごうとうさつじんじけん)は、2014年(平成26年)11月11日に高齢者1名が殺害、12月16日に高齢者夫婦が殺傷された、群馬県前橋市で発生した連続強盗殺人事件である。

場所 群馬県前橋市
日付 2014年11月11日
2014年12月16日
攻撃側人数 1人
武器 バール、包丁[1][2]
前橋市連続強盗殺人事件
場所 群馬県前橋市
日付 2014年11月11日
2014年12月16日
攻撃側人数 1人
武器 バール、包丁[1][2]
死亡者 2人
犯人 男T(事件当時26歳)
容疑 強盗殺人罪
動機 金銭・食料を得るため[3]
謝罪 あり[4]
刑事訴訟 死刑(上告棄却により確定 / 未執行
管轄 群馬県警察
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2014年11月11日、群馬県前橋市日吉町のA宅でA(93歳女性)が殺害され、現金7000円とリュックサックを盗まれる事件が発生した。同年12月16日には同市三俣町のB夫妻宅でB(81歳)が包丁で刺され、18日に死亡、Bの妻(当時80歳)が重傷を負い、リンゴ2個を盗まれる事件が発生した。両事件の犯人として同市本町に住む男T(当時26歳)が逮捕された。

公判ではTを情状鑑定した医師からTの広汎性発達障害パーソナリティー障害が事件に与えた影響の証言がなされ[5]、Tの持つ障害の影響と、殺意の度合いが争点となった。判決では「強固な殺意」を認定、Tの障害に関しては「殺害の決行そのものはT自身の意思によるもの」とし、障害との関連を否定し、一審の死刑判決が維持され、2020年(令和2年)9月の最高裁判決で確定した[6]

事件に至るまで

T・K
生誕 (1988-11-17) 1988年11月17日(37歳)
日本の旗 日本栃木県足利市
国籍 日本の旗 日本
出身校 福島県立西会津高等学校(2007年3月卒業)
職業 塗装工ラーメン店従業員、警備員
罪名 強盗殺人、殺人未遂、建造物侵入
刑罰 死刑
犯罪者現況 収監中
有罪判決

死刑

確定:2020年9月8日
日本の旗 日本
都道府県 群馬県
標的 高齢者
死者 2人
負傷者 1人
逮捕日
2014年12月23日
収監場所 東京拘置所
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1988年(昭和63年)、Tは栃木県の山間部で生まれたが、2年ほどで父親の浮気と暴力が原因で両親は離婚した。TとTの姉を連れて家を出たTの母親はほどなく再婚し、2年後に再び離婚した。1回目の離婚で「片親の限界」を感じていたTの母親は4歳のTを児童養護施設に預けた[7]

Tは施設で壮絶ないじめを受け、学校でもいじめを受けた。高校入学とともにTは施設を出て、福島県内の母親の実家で祖父母と伯母の4人で暮らし始めたが、伯母から食事を抜かれるなどの嫌がらせを受けた[8]

高校卒業後、Tは福島で塗装業の仕事に就いたが、仕事にも慣れず、職場で孤立した末、7ヶ月で解雇された。その後群馬県に住む母親の元に身を寄せたTだったが、母親の同棲相手と折り合いがつかず、1週間ほどで逃げ出した。生活保護を受給する時期を経て、群馬県内のラーメン店でアルバイトをはじめたことでTの生活はようやく安定し、このころ、母親とも交流を重ねた。だが、ほどなく母親は親の介護を理由に福島の実家で暮らすようになり、再びTと会うことは無くなった[7]

Tは2011年(平成23年)ごろからスマートフォンの課金ゲームをはじめ、2013年(平成25年)ごろから消費者金融から借金をするようになった。Tは2014年(平成26年)9月に警備会社の仕事を辞めてからは無職だったが、辞めてからも課金ゲームは続け、10月末に料金滞納を理由に携帯電話の利用ができなくなり、11月中旬にはガスが、12月中旬には電気が止まっていた。仕事を辞めたことで生活が困窮したTだったが、「人と接するのが嫌」であることを理由に仕事には就いていなかった[9]

事件の経過

2014年11月11日、前橋市日吉町の住宅で、そこに住む93歳女性Aが寝室で頭から血を流し布団の上で死亡しているのをAの長女が発見した[9]。犯人は午前3時頃にA宅に侵入し、午前5時ごろ、Aの頭や顔などをバールで殴った後、包丁で複数回突き刺し殺害、現金7千円とリュックサックを奪った[1][10]

12月16日、前橋市三俣町で老夫婦殺人未遂事件が発生、犯人はリンゴ2個を盗み、81歳男性B を包丁で刺し、Bは18日に死亡、Bの妻(当時80歳)は重傷を負った[2] 。後にTは16日午前3時半ごろにB宅に侵入し、8時間以上経った11時50分ごろにB夫妻を刺して逃走したことがわかっている。リンゴはこの8時間の間にTが現場で食べたものだった[11]。群馬県警は11月に起きた強盗殺人事件と手口が似ている点もあることから2つの事件を併合した捜査本部を群馬県警に設置した[12]

12月21日、前橋市のラーメン店でチャーシュー、メンマ、ひき肉など約8,000円相当が盗まれる。23日、防犯カメラの映像から6月まで同店で働いていた前橋市本町に住む男T(当時26歳)が建造物侵入容疑で逮捕された[13][14]

12月26日、三俣町事件で首や胸などに重傷を負ったBの妻への殺人未遂容疑でTは再逮捕された[15]。逮捕の決め手は、ラーメン店に侵入した際のTの足跡と三俣事件で現場に残された足跡が一致したことと、現場に残されたリンゴだった[13]。現場には齧った状態のリンゴが複数残されており、リンゴに付着したDNA型がTと一致した[7]

2015年(平成27年)1月15日、三俣町事件でBを刃物で首を刺して殺害したとして、Tは殺人容疑で再逮捕された。Tは「カネと食料品が目的だった。高齢者が住んでいそうな平屋の家を狙った」などと語り、容疑を認めた[3]

2月6日、日吉町事件の強盗殺人容疑でT再逮捕。Tは「家の人に見つかれば、殺してでもお金や食べ物が欲しかった」と供述し、困窮が動機にあることを述べた[9]

2月26日、前橋地方検察庁はすでに三俣町事件で強盗殺人などの罪で起訴していたTを、日吉町事件でも強盗殺人などの罪で追起訴した[1]

同日、Tの弁護団は前橋市で記者会見を行い、Tの生育環境が事件に影響を与えた可能性もあるとして情状鑑定を求めることを検討していると明かした。弁護団は、日吉町の事件では被害者宅に侵入後「トイレの中で震えながら数時間隠れていた」、三俣町事件では被害者宅に侵入後、「足が震えてまともに歩けず、足の震えを止めようとリンゴを食べ、部屋に隠れていた」とTが話していることを明かし、Tが犯行に至った経緯を「仕事を辞めて生活に困窮し、誰にも助けを求めることができず、視野狭窄に陥った。当初から殺人に及ぶ意思はなく、窃盗行為すら躊躇していた」などと説明した[1]

裁判

脚注

参考文献

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