加納光於

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加納 光於(かのう みつお、1933年(昭和8年)2月28日 - )は、昭和後期から平成時代の版画家画家。版画、絵画の領域において実験的手法により独自の世界を切り開いたことで知られる。瀧口修造大岡信澁澤龍彦渋沢孝輔加藤郁乎吉増剛造巖谷國士平出隆ら、文学者との交流や仕事も多い。

東京神田に生まれる。病弱のために中学を中退、10代後半を闘病生活のうちに過ごす中で微生物や植物の形態に関心を寄せ、またアルチュール・ランボーなどフランス詩に傾倒。1953年、19歳のときに独学で版画をはじめ、1955年に私家版銅版画集『植物』を出版。瀧口修造に見いだされ、彼の推薦で1956年にタケミヤ画廊にて初個展を開催する。東京国際版画ビエンナーレには第1回(1957年)から出品し、3回展(1962年)では亜鉛版を腐食させたモノクロームのインタリオ《星・反芻学》(1962)で国立美術館賞を受賞した。その他国内外の数多くの展覧会に出品し、受賞を重ねる。

1960年代後半には、金属板をバーナーで焼いて加工した凹凸の激しい版に鮮やかな色彩で刷られた《ソルダード・ブルー》や《半島状の!》などのカラーメタルプリントの仕事を行う。1970年代前半は図鑑などから切り取られた断片的なイメージをコラージュ的発想で詩的に構成する仕事を中心に行うとともに、オブジェなどの仕事にも取り組んだ。

1970年代後半には《稲妻捕り》に代表される、デカルコマニー的な手法によって流動感のある鮮烈なイメージの湧出を定着させる仕事に移った。1980年には初の油彩画展を開催し、その後は、インタリオやリトグラフによる版画作品の制作を差し挟みつつ、油彩画を中心として精力的に発表を続けている。

展示・受賞

  • 1956年 - タケミヤ画廊で初個展
  • 1957年 - 第1回東京国際版画ビエンナーレ展に出品
  • 1959年 - 第3回リュブリアナ国際版画ビエンナーレ展で《燐と花と》により「リュブリアナ近代美術館賞」受賞、澁澤龍彦『サド復活』(弘文堂)に初の装幀・挿画を行う
  • 1961年 - 第6回日本国際美術展で《翼・予感》により優秀賞受賞
  • 1962年 - 第3回東京国際版画ビエンナーレで《星・反芻学》により「国立近代美術館賞」受賞
  • 1965年 - 第8回日本国際美術展で《星・反芻学》により優秀賞受賞
  • 1969年 - 第8回リュブリアナ国際版画ビエンナーレで《Planet Mirror B》により買上賞
  • 1972年 - 南画廊で「“加納光於-大岡信共作展”アララットの船あるいは空の蜜」展開催
  • 1974年 - 『葡萄弾』により造本装幀コンクール展で文部大臣賞受賞
  • 1980年 - 油彩画の初個展「加納光於《胸壁にて》」開催(アキライケダギャラリー)
  • 1983年 - 北九州市立美術館で「加納光於PAINTING 1980-1983」展開催
  • 1988年 - O美術館で「加納光於1977-1987「版画」《強い水-夢のパピルス》」展開催
  • 1993年 - セゾン美術館で「色彩としてのスフィンクス-加納光於」展開催
  • 1997年 - 愛知県美術館で「葡萄彈 加納光於 オブジェ 1968-1997」展開催、第8回山口源賞で「《Circle-波打つ眉をしずめよ》・5」により大賞受賞
  • 1998年 - 紫綬褒章受章
  • 2000年 - 愛知県美術館で「加納光於 「骨ノ鏡」あるいは 色彩のミラージュ」展開催
  • 2005年 - 旭日小綬章受章
  • 2012年 - 神奈川文化賞受賞
  • 2013年 - 神奈川県立近代美術館で「加納光於 色身――未だ視ぬ波頭よ 2013」展開催
  • 2017年 - CCGA現代グラフィックアートセンターで「加納光於―揺らめく色の穂先に」展開催

主な作品

  • 星・反芻学(1962):インタリオ
  • MIRROR,33(1965):亜鉛版によるレリーフ
  • ソルダード・ブルー(1965):カラーメタルプリント
  • 半島状の ! (1967):カラーメタルプリント
  • 葡萄彈(1973):オブジェ
  • 稲妻捕り(1977):色彩石版画
  • 語りえぬもののための変容(1978):エンコスティック、メタルプリント
  • 胸壁にて(1980):油彩
  • 「波動説」−intaglioをめぐって(1984):カラーインタリオ
  • Illumination-1986(1986):色彩石版画
  • 繁み・運動・エレメント(1988):油彩
  • Circle-波打つ眉をしずめよ(1996):モノタイプ

など

出版

主要参考文献

外部リンク

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