双曲四元数
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定義
双曲四元数 q は、 で表され、積は により定義される。
これにより が従う。
分裂四元数との同型
分裂四元数 ℍ' を、基底 {1, e1, e2, e1e2} と で定義する。
写像 を と定めると、積の保存 が成立し、φ は同型写像である。
クリフォード代数との関係
分裂四元数 ℍ' は、以下と同型であることが知られている:
- Cl(1,1) は 1 個の負平方元、1 個の正平方元を持つクリフォード代数
- M2(ℝ) は 2×2 実行列全体
双曲四元数は、この連鎖の中に自然に位置づけられる。
行列表現
対応 は、双曲四元数と M2(ℝ) の同型を与える[2]。
ノルム
共役 に対し、ノルム を得る。
符号が (+, −, −, +) の「分裂型」計量であり、 N(q) ≠ 0 のときに限り逆元が存在する。
クリフォード代数
体系の中での位置づけ(図式)
クリフォード代数の標準的分岐図における位置づけは次の通り:
さらに、
- 標準四元数:
- 分裂四元数:
である。
同型性の厳密証明(ε–δ レベルの代数的厳密性)
以下では、双曲四元数 ℍ"Hと分裂四元数 ℍ' の同型
が「代数として」同型であることを、基底同型と積構造保存の ε–δ 形式に近い厳密さで示す。
代数同型の定義
実代数 (A, B) に対し、写像 が 代数同型 であるとは:
- φ は線形写像
- 単位元の保存
- 積の保存
- 双射である(全単射)
線形性の証明
分裂四元数の任意元 に対し、φ は これは係数の線形写像 として作用し、線形性は係数レベルで自明に成立。
積の保存
基底の積だけ確認すればよい(双線形性のため)。分裂四元数の積 に対し、双曲四元数では 写像 φ のもとで これで積が保存される。
全単射性
φ は基底を基底に写す線形写像なので、
行列表示すると ゆえに可逆。
したがって全単射。
結論
以上より、φ は代数同型である: すなわち、双曲四元数は分裂四元数と数学的に完全同型である。
行列表現とクリフォード代数との一致
2×2 実行列代数 M2(ℝ) はクリフォード代数 の既約表現である。
写像 はクリフォード生成子 を満たすため、 と一致する。
関連項目
- 四元数
- 幾何学的代数