古い時代から
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リャードフの遺したピアノ曲の中でも特に国民楽派的書法が際立つ作品として知られ、その響きはボロディンの『交響曲第2番』や『イーゴリ公』を想起させるものとなっている。楽譜の出版は作曲の翌年、1890年にベリャーエフ社によって行われ、アントン・ルビンシテインに献呈されている。その後、リャードフは原曲に修正を加えたうえでオーケストレーションを施し、その版は1906年に同じくベリャーエフ社から出版された[注 2]。
題名の「古い時代(スタリナー、старина́)」は綴りはそのままにアクセントを変えると「スターリナ、ста́рина」すなわちロシアの叙事詩であるブィリーナの別称となり[2]、曲の内容も中世ロシアの伝説的な歌手・詩人であるバヤーン(ボヤーン)がブィリーナを語る様を描いていると考えられる。事実、管弦楽版の出版の際、リャードフはエピグラフとして『イーゴリ軍記』からの引用を楽譜に付している。
さあ、兄弟たちよ、古のウラディーミルの物語をはじめよう。 ― Поведём же, братие, сказание От времён Владимировых древних. ―
管弦楽版の演奏を聴いた最晩年のウラディーミル・スターソフ(初演の年に死去)は、作品を高く評価し、熱狂的な賛辞を連ねた手紙をリャードフに書き送っている[2]。
初演
管弦楽版は、1906年3月2日、サンクトペテルブルクにおいてニコライ・チェレプニンの指揮により初演された[注 3]。