台北経済文化代表処
中華民国(台湾)の在外代表部
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台北経済文化代表処(タイペイけいざいぶんかだいひょうしょ、臺北經濟文化代表處、Taipei Economic and Cultural Representative Office, TECRO)は、中華民国の在外代表部である。台北代表処(Taipei Representative Office, TRO)などの名称で設置されていることもある。

中華民国を承認しない各国に駐在し、各国と台湾の非政府間関係かつ実務関係を処理する台湾側の対外窓口として機能している。
なお、「台北」の名は「一つの中国」問題への抵触を避ける形で便宜的に中心都市名を冠しているだけであり、台北市政府の機関ではない。
概説
その機能は、実質的かつ対等互恵的な関係の発展を図り、駐在国において中華民国の利益を実質的に代表し、大使館の職務を行うことにある。具体的には、二国間関係の発展、在留邦人業務の担当、中華民国旅券および査証の発給などが含まれる。中華民国外交部は、「代表処」の地位を大使館に相当するものと位置付け、「弁事処」はこれを領事館に準ずるものとしている。
一般に、これらの代表処は治外法権的な保障を受け、駐在国から提供される領事保護の仕組みにおいても大使館に近い扱いを受けることが多い。また、一部の国では、代表処の職員に対し正式な外交使節または国際機関職員と同等の身分を付与し、外交特権や外交免除を認めている場合もある。
アメリカ合衆国では台湾関係法により例外的に一定の権利が認められている。また、日本では日中国交正常化前の中華人民共和国の中日備忘録貿易弁事処東京連絡処と同様に固定資産税等の税金を全額免除したり[1]、職員に対する一定の便宜を図っている。
2025年現在、世界各国99カ所に駐在し、貿易・経済・文化関係や査証の取り扱いなど領事館のような業務を行っている。
名称問題
主要国の代表処

日本:台北駐日経済文化代表処
- 1972年断交、設立。
アメリカ合衆国:在米台北経済文化代表処
イギリス:在英国台北代表処
- 1963年9月設立(当初の名称は自由中国センター)。1993年4月改称。
ロシア:台北モスクワ経済文化協調委員会駐モスクワ代表処
- 1993年7月設立。
ドイツ:在ドイツ台北代表処
フランス:在フランス台北代表処
- 1974年設立。1995年改称。
イタリア:在イタリア台北代表処
- 1990年設立。1996年改称。
欧州連合・
ベルギー:在欧州連合兼ベルギー台北代表処
- 1971年10月設立(当初の名称は中山文化センター)。その後、台北経済文化弁事処、在ベルギー台北代表処を経て、2001年、現在の名称に改称。
カナダ:在カナダ台北経済文化代表処
- 1991年10月設立。他3都市に弁事処。
オーストラリア:在オーストラリア台北経済文化代表処
- 1991年11月設立。
韓国:在韓国台北代表部
- 1992年断交。1994年1月設立。釜山に弁事処。
南アフリカ共和国:在南アフリカ共和国台北連絡代表処
- 1998年末断交。1999年1月設立。他2都市に弁事処。
リトアニア:在リトアニア台湾代表処
- 2021年11月設立。
フィリピン:在フィリピン台北経済文化弁事処、あるいは在フィリピン中華民国代表処
- 1975年8月設立。1989年改称。
各国の代表処組織
日本


1972年9月、日本国と中華人民共和国が日本国政府と中華人民共和国政府の共同声明に調印し、日本と中華民国が国交を断絶。同年12月、亜東関係協会(現:台湾日本関係協会)と財団法人交流協会(現:日本台湾交流協会)との間の在外事務所相互設置に関する取り決めにより、翌1973年に設置された[2]。1992年、「亜東関係協会東京弁事処」から現在の名称に変更した。
日本における事実上の台湾大使館の役割を果たしており、中華民国総統により選任されている代表者の「駐日代表」は、事実上の駐日中華民国大使に相当する(ただし上述の通り、治外法権や外交特権はない)。台北駐日経済文化代表処のホームページにおいても、「民間の機構ではありますが、実質的には大使館や領事館の役割を果たしています。」と説明がなされている[3]。
所在地は、東京都港区白金台5丁目20番2号。台湾政府の法人格が認められていないため、不動産登記は購入当時の代表者個人名義のままになっているとされる[4]。査証部、経済部、文化部、広報部、僑務部、科学技術部、秘書部があり、広報部は、日本語広報・情報紙『台湾週報』を毎週刊行している。東京の「代表処」のほかに、大阪、福岡に「弁事処」、札幌、横浜、那覇に「分処」が設置されている。
民進党の陳水扁政権下で「台湾正名運動」が広まったことに伴い、許世楷駐日代表が就任後まもなく、「台湾駐日経済文化代表処」に変更したい旨を表明していた。しかしその後も改称は実現せず。
日本側のカウンターパートは日本台湾交流協会。台北事務所は、台湾における事実上の日本大使館に近い機能を有している。