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吉村パターン

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シュワルツの提灯英語版
モナ・リザ』の袖には吉村パターンの皺が見られる

吉村パターン(よしむらパターン、英語: Yoshimura buckling)は、日本人研究者の吉村慶丸にちなんで名付けられた、薄肉円筒を円筒の軸方向に圧縮した際に生じる、シュワルツの提灯英語版に似た波形の形状を作り出す三角形メッシュ状の座屈パターンである。これは『モナ・リザ』の袖に見られるものと同じパターンである。軸方向の剛性と折り紙のような特性を持つことから、コンパクトさと迅速な展開能力に関する課題に対処するため、航空宇宙、土木工学、ロボット工学などの分野で応用が研究されている。しかし、一般的な数学的枠組みが存在しないため、広範な利用は現在限定的である。

1941年、円筒殻の折り目パターンはセオドア・フォン・カルマン銭学森によってカリフォルニア工科大学で最初に研究され、その後1951年の日本の論文で吉村慶丸によって独立して研究され、1955年には英語版が発表された[1][2]。第二次世界大戦中および戦後の日本の孤立により、吉村は先行研究の存在を知らなかった[3]

数学的導出

適合条件

座屈パターンの適合条件英語版は以下で与えられる:

ここで、 および はそれぞれ、たわみ面の第一基本形式および第二基本形式を表す[4]ガウス曲率を表し、以下のように表される:

ここで、 および は円筒の主曲率半径である。 は以下のように表される:

ここで は円周方向の座屈長さを軸方向の座屈長さで割った値である。

  • 変形前の初期曲面上では、円筒のガウス曲率は0であり、適合条件を満たす。
  • 変形後の曲面上では、曲面はほぼ可展面であることが観測される。その結果、円筒のガウス曲率は0に近くなる。最初の適合条件式の左辺はすでに小さいため、適合条件は満たされる[5]

座屈荷重の予測

古典的なシェル構造の理論において、円筒殻の臨界座屈荷重 を予測する漸近式は以下のように表される:

ここで は円筒の壁厚と半径の比を表し、 はそれぞれヤング率ポアソン比を表す[6]。この古典的な式は、1945年にこれを導出した[7]オランダの技術者ワーナー・T・コイター英語版にちなんでコイターの公式と呼ばれることがあるが[8][9]、最初に導出したのは1911年のR. ローレンツである[10]

実験結果によると、この古典的な式は座屈荷重を4倍から5倍過大評価することが頻繁にあることが示されている。[6] この不一致は、構造の形状や荷重における初期不整(imperfections)に対して座屈荷重が高い感度を持つことに起因することが多い[11][12][13]

平衡条件

デカルト座標系において、軸圧縮を受ける円筒の平衡条件は以下のように表される:

ここで、 はそれぞれヤング率と曲げ剛性である。 は2番目の式から導出され、 は以下のように表される:

パラメータは である。この慎重に選択された手法により、[14] 以下の単純化手法が可能となる:

  • の場合。軸方向および円周方向の波を表す。
  • の場合。ダイヤモンド型座屈のバリエーションを表す。

方程式の解は、さまざまな解法を用いてこれらの方程式から見つけることができる。2つの重要な解法は、1941年のカルマン[1][2]、および1953年のD. M. A. レゲットによるものである。[14]

特性

折り畳みパターン

シュワルツの提灯の折り目パターン

吉村折りのパターンは、シュワルツの提灯の折り目パターンに見られるように、底辺の1つの辺を共有する二等辺三角形で構成され、繰り返される菱形を形成する[5]。個々の三角形の角度や寸法を操作することで、わずかに異なる座屈パターンが生じることがある[15]。平面の紙からシュワルツの提灯を折るための展開図(平面の二等辺三角形によるタイル張り)も、吉村の同研究に基づいて吉村パターンと呼ばれている[16][17]。吉村折りの展開図は、クレスリング(Kresling)折りや六角形折りに関連しており、ミウラ折りの特異なケースとして枠組み化することができる[18]。剛体的に変形可能なミウラ折りとは異なり、吉村パターンやクレスリングパターンは、コンパクトな状態に折り畳むためにパネルの変形(たわみ)を必要とする[19]

局所座屈

軸圧縮を受ける円筒殻は、比較的長い場合に局所座屈(local buckling)を示すことが観察されている[5]。局所座屈は、構造全体が変形するオイラー(全体)座屈とは対照的に、構造が局所的な変形を受ける現象である[20]。その結果、円筒の長さ方向において、座屈はローブ(lobe)の軸方向波長の1.5倍を超える範囲で発生する[5]。円周方向においては、円筒の全周に影響を与えるためには、円筒と負荷装置の両方が完全な回転対称性を持っている必要がある[6]

この現象は、全弾性エネルギーの損失としてさらに説明できる。両端が固定され、オイラー臨界荷重を受けている円筒を考えると、局所座屈が発生した際、座屈していない領域の弾性エネルギーの減少が、座屈した領域の弾性エネルギーの増加を上回る。これにより、全弾性エネルギーの損失が生じる[5]

初期不整に対する高い感度

軸圧縮下の円筒殻の臨界座屈荷重は、形状や荷重の初期不整(imperfections)に対して非常に敏感である[21][12][15]。古典殻理論による漸近式 [疑問点] (ここで は殻の無次元厚さ)に関して[8]、座屈荷重はおおよそ以下の2つの方法でスケーリングする:

  • 形状の初期不整に対しては
  • 荷重の初期不整に対しては [6]

可展面

円筒殻の厚さが減少するにつれて、座屈した曲面は近似的に可展面となる。その結果、殻の厚さが0に近づくと、理想的な膜として振る舞うため、曲面は最も可展性が高くなる[5]

応用

関連項目

参考文献

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