哲學入門
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概要
出版の経緯
難解な哲学を多くの読者が理解出来るような、簡易で親しみのある哲学書を書かせたいという願望を、岩波書店の会長も務めた編集者の小林勇にはあった。小林の要望に応えて1932年(昭和7年)7月、小林が経営していた鉄塔書院の機関誌『鉄塔』に『哲學はやさしくできないか[3]』を寄稿した。
その後も小林から平易な哲学書執筆の依頼は繰り返された。1938年(昭和13年)1月に岩波書店に復職した小林より依頼を受け、多くの人が楽しめるようなわかりやすくかつ啓蒙的な『哲學講座』を単独で執筆することを決めた[5]。
一月二十日 木
今日岩波へ行つたら、小林が一人で哲學講座のやうなものをぜひ出すやうに勸めてくれる。これは昨年から度々云はれてゐることである。ジャーナリズムとの關形をなるべく少くしてこのやうな仕事をやつてみるのも面白いから、今度は引き受けることにしようかと思ふ。粟田、吉野兩君が手傳つてくれさうである。 — (『日記』三木清全集 第19巻 186ページ 8〜11行目より引用[6])
とある。また、
とあり、『哲學講座』六巻の執筆刊行が具体化した。平易で啓蒙的な哲学書の作成という目的に沿うものとするために、哲学にあまり知識のない一般人に対して三木が素人でも分かるような質疑応答を含む形式で講義を行って、その講義の速記録を加筆修正することで原稿を作成することになった。外部の希望者二、三人と岩波書店の従業員のうち哲学とは関係のない従業員で聴講を希望するものを集めて1938年(昭和13年)2月9日より講義が開催された。講義は13回行われて3月25日に終了した。
日記には
日記は1938年(昭和13年)5月1日までで途切れており、1940年(昭和15年)3月の『哲学入門』発行までの経緯はあきらかでない[8]。
