鷺とり
古典落語の演目
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『鷺とり[1][2]』または『鷺捕り[3]』(さぎとり)は、上方落語の演目。8代目桂文治によって東京に移植され[3]、そちらでは『雁とり』(がんとり)または『雁つり』(がんつり)、の演題が用いられる[1]。この項目では、合わせて演じられることの多い『商売根問』(しょうばいねどい)についても記述する。
『鷺とり』と『雁とり』は、金銭目的で鳥を捕まえようとして失敗した男の起こす騒動を描く。天明年間の笑話本『旧灌雑話』の「八坂の塔」(演題通りラストの舞台は京都の法観寺にある五重塔である)が原話と目される[3]。ただし、宇井無愁は、全国的に分布する民話「鴨とり権兵衛」が原話であるとしている[2]。
『商売根問』は、男が様々な金儲けの手段を考案しては失敗することをぼやく、小咄の集合のような構成の噺[4]。宇井無愁は『鷺取り』の枕として『商売根問』を演じるとしている[2]。東大落語会編『落語事典 増補』は『鷺(雁)とり』のほかに『虫捕り』『天狗刺し』などの演目につなげて演じるとする[4]。
あらすじ
※以下、宇井無愁『落語の根多 笑辞典』掲載の内容(上方版)に準拠する[2]。
藤助という男が甚兵衛から、神崎川の鷺は夜寝るときに萩寺の墓地に集まるから、寝込みを狙ってそれをつかみ取れば金儲けができると教わる。言われた通りに萩寺に出かけると鷺は立ったまま眠っていて、藤助は鷺をつかんでは腰にくくりつけた。夜明けになって逃げようとしたら目を覚ました鷺が一斉に飛び立ち、藤助もそれに引っ張られて空に舞い上がる。藤助が気がつくと目の前に金色の巨大な棒が立っているのが見えたため、思わずそれにしがみつく。藤助が鷺を縄からはずして辺りを見回すと、自分がしがみついているのは四天王寺の五重塔の相輪だった。降りることもできずに途方に暮れる藤助を玉江橋から見つけた者がいて寺に通報する。すると寺では相談の末、巨大な布団を塔の下に持ち出し、四隅を一人ずつ僧侶が持って立ち、藤助に布団めがけて飛び降りるように叫んだ。その声を聞いた藤助が布団に飛び降りるとその反動で四隅が持ち上がり、僧侶4人がお互いに頭をぶつけた結果「1人助かって4人死んだ」。