回想法
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心理療法としての回想法
認知症の予防や進行抑制としての回想法
回想法は、楽しいおしゃべりを基本としているため、場所や費用を必要としない。そうしたことから、公民館や敬老館などで楽しまれているばかりか、茨城県取手市回想療法センターでは、高齢者を対象に回想法を実践している。また、介護予防のなかでも認知症予防を実践している東京都葛飾区シニア支援センターでは、回想法教室を開催して認知症の予防を実践している。
効果
老年期に人生を振り返り、自己の人生を再評価することで、自尊心を向上させる。 高齢期特有の抑うつ状態の緩和
- ADL記憶
- 10歳 – 15歳の記憶にADLに関する記憶が含まれているので、10歳 – 15歳の記憶を失うと、ADLが維持できなくなる。ADLを維持するためにも10歳 – 15歳の記憶(ADL記憶)を維持することが回想法の目的でもある。[4]
領域別認知症検査
認知症の検査法として長谷川式が有名であるが、領域別差異がわからない。DCL(初期認知症チェックリスト)は、記憶領域と心的操作領域を別々に測定するために、回想法によって記憶が刺激されることによってもたらされた効果を測定できる。
基本的姿勢
受容的共感的姿勢での傾聴。回想法は、カウンセリングと違って、生きてきた軌跡の中でも、明るく輝いていた時代の内容を話題とする。よって「会話」がとても重要となる。回想法的インタビュアーのことを「レミニシャン」と言うが、相手の錆びた古い記憶を引き出すコミュニケーション技術が必要。また、10歳 – 15歳の記憶が鮮明であると、ADLが維持されている臨床状況から、その時代の記憶を刺激することが回想法の基本姿勢とされる。
社会教育活動としての応用
回想法については、「地域回想法」という観点で博物館、図書館での実践例がある[5]。北名古屋市回想法センターでは、「回想法キット」と称される生活民具等の高齢者の回想を促す素材を博物資料として団体等に貸出すサービスを実施している[6]。また、図書館では、移動図書館による巡回サービスを高齢者施設等に行なう際に、図書の貸出のみならず、おはなし会や回想法を利用した高齢者へのアプローチを行っている事例がある。回想法を行う博物館・図書館としては、北名古屋市歴史民俗資料館や岡山県立博物館、氷見市立博物館、東近江市立能登川博物館や田原市図書館、瀬戸内市立図書館などがある。介護予防の観点から、地域ケアとして福祉施策との連携が期待される分野である。