国家祈祷朝食会
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国家祈祷朝食会(こっかきとうちょうしょくかい、英: National Prayer Breakfast)は、年に一度ワシントンD.C.で開催される超党派の集まり。通常は2月の第一木曜日に開催される。日本語では、国家朝餐祈祷会[1]や国家朝食祈祷会[2]と訳されることもある。
ワシントン・ヒルトンのインターナショナル・ボールルームで開催される祈祷朝食会には、100か国以上からおよそ3,500人のゲストが参加する。2023年まではアメリカ合衆国議会とキリスト教系のフェローシップ財団の共催で開かれていた。2023年からは国家祈祷朝食会財団が設立され、同財団による運営へと変更された[3]。政財界の重鎮が一堂に会し、共に祈る場として設立された。国家祈祷朝食会が始まった後、いくつかの州では州独自の祈祷朝食会を開催するようになった。
国家祈祷朝食会はフェローシップ財団の管理下から2023年に外れた。それは、同組織が抱える矛盾と、このイベントとの協力に関する透明性に疑義が生じたからである。それにより、30以上のグループが同イベントに対するボイコットを表明した[4]。結局は、アメリカ合衆国議会が2023年以降の開催を引き継ぐこととなった。
国家祈祷朝食会の起源は、1930年代にシアトルで開催されていた祈祷会に至る。主催者のエイブラハム・ヴェライドがワシントンD.C.へ引っ越した後、彼はアメリカ合衆国議会においても同様のグループを立ち上げた。そのグループには、当時大統領を務めていたドワイト・D・アイゼンハワーや、宣教者のビリー・グラハムも招かれた。そしてヴェライドの後をダグラス・コーとリチャード・C・ハルバーソン牧師が継ぎ、このイベントは継続した。ある政府指導者は、この朝食会とコーの影響力は、「国務省や通常必要とされる審査プロセスを回避して大統領に接触する機会」を国外のリーダーに提供しているという。また、他の参加者たちも、出席の目的は政治的なものであることを示唆していた[5]。
講演者
毎年複数のゲストスピーカーが招待され、数多くのイベントが併催されている。しかし、同会最大のイベントは火曜午前に実施されるスピーチである。このスピーチでは、アメリカ合衆国大統領ともう1名が講演を行う。なお、このもう1名の講演者は、毎年火曜午前まで誰かが分からないよう、情報が秘匿されている。過去の講演者は以下のとおり
- 1973年(第21回):マーク・ハットフィールド(アメリカ合衆国上院議員、共和党)
- 1977年(第25回):ジム・ライト(アメリカ合衆国下院議長、民主党)
- 1987年(第35回):エリザベス・ドール(アメリカ合衆国運輸長官)
- 1994年(第42回):マザー・テレサ[6]
- 1997年(第45回):ベン・カーソン[7](医師、ジョンズ・ホプキンス病院小児脳神経外科部長)
- 1998年(第46回):コニー・マック3世(アメリカ合衆国上院議員、共和党)
- 1999年(第47回):マックス・ルカード(作家・牧師)
- 2001年(第49回):ウィリアム・フリスト(アメリカ合衆国上院議員、共和党)
- 2005年(第53回):トニー・P・ホール(国連食糧農業機関米国代表)
- 2006年(第54回):ボノ[8](歌手)
- 2007年(第55回):フランシス・コリンズ(遺伝学者、国立ヒトゲノム研究所所長)
- 2008年(第56回):ウォード・ブレム[9](アフリカ開発財団米国議長)
- 2009年(第57回):トニー・ブレア[10](元イギリス首相)
- 2010年(第58回):ホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ[11](元スペイン首相)
- 2011年(第59回):ランダル・ウォレス[12](映画監督)
- 2012年(第60回):エリック・メタクサス[13](作家)
- 2013年(第61回):ベン・カーソン[14](医師、ジョンズ・ホプキンス病院小児脳神経外科部長)
- 2014年(第62回):ラジーブ・シャー[15](米国国際開発庁長官)
- 2015年(第63回):ダレル・ウォルトリップ[16](FOXスポーツ実況者)
- 2016年(第64回):マーク・バーネット、ローマ・ダウニー[17](テレビプロデューサー)
- 2017年(第65回):バーリー・ブラック[18](アメリカ合衆国上院チャプレン)
- 2018年(第66回):スティーブ・スカレス[19](アメリカ合衆国下院議員、共和党)
- 2019年(第67回):ゲーリー・ヒューゲン[20](国際正義ミッション代表)
- 2020年(第68回):アーサー・C・ブルックス[21](著作家)
- 2022年(第70回):ブライアン・スティーブンソン[22](平等正義イニシアチブ代表)
招待客
アメリカ合衆国議会の議員、内閣の閣僚、そしてワシントンに駐在する各国外交団のメンバーに加え、3千名以上のゲストが招待される。2008年の朝食会には6名の国家元首、そして欧州議会議員、国連職員、ヨーロッパ、アジア、アフリカ、ラテンアメリカの政治家、宗教指導者、宣教師、実業家、学生などが参加した。パキスタンの元首相ベーナズィール・ブットーは複数回参加しており、2008年のクロージングディナーでは、彼女が朝食会の意義や信仰への影響について語るビデオインタビューが紹介された。2006年には、ヨルダン国王アブドゥッラー2世が木曜日の昼食会で演説を行い、2005年にはホンジュラスの大統領リカルド・マドゥーロが同じ昼食会で演説を行った。音楽ゲストとしては、歌手のアンドレア・ボチェッリ、ウィントリー・フィップス、マイケル・W・スミス、シーシー・ワイナンズ、音楽グループのポイント・オブ・グレースなどが招待されている。2014年には、ウクライナ独立以来初めて、ウクライナ正教会のフィラレート総主教が出席した。2015年には、ダライ・ラマ14世が関連イベントの一つである「インターナショナル・ランチ」で演説を行った。