ワレモコウ
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名称
源氏物語にも見える古い名称である。漢字表記においては吾木香、我毛紅、我毛香、我妹紅など様々に書かれてきたが、「〜もまた」を意味する「亦」を「も」と読み、「吾亦紅」と書くのが現代では一般的である。「吾木香」については、キク科の植物で線香の原料にもなるモッコウ(木香)と似た香りを連想することから、「わが国の木香」という意味だといわれるが、実際にはワレモコウからあまり香りはしない[4]。
名の由来には諸説あり、はっきりしていない[4]。植物学者の前川文夫によれば、木瓜文(もっこうもん)を割ったように見えることからの命名という[5]。一説には、「吾もまた紅なり」とワレモコウ自身が唱えたことが名の由来であるといわれている[6]。このほか、中国の皇帝がこの花の匂いを気に入り、「吾も請う」と言ったことに由来するのではなど[7]、様々な俗説もある。
別名に酸赭、山棗参、黄瓜香、豬人參、血箭草、馬軟棗、山紅棗根などがある[要出典]。英語ではgreat burnet、garden burnet、中国語では地楡(ティーユー、dìyú)と呼ぶ。
分布・生育地
形態・生態
多年生の草本。地下茎は短く、やや肥大する[8]。高さは60から90センチメートル[3]。茎は直立して上部で分岐し、根出葉は長い葉柄があり、奇数羽状複葉、小葉は5 - 15個で細長い楕円形か卵状楕円形、鈍頭[8]。長楕円形の小葉には細かい鋸歯がある[8][7]。
花期は晩夏から秋にかけて(7月 - 10月)[7]。茎を伸ばし、細かく分枝したその枝先に円筒状の穂状花序ができ、暗紅紫色の花弁のない可憐な花を密につける[8][7]。4枚の萼と4個の雄しべがあり、雌しべは小頭状である[8]。山地には、雄しべが長い類似種がある[8]。開花時は萼もピンク色で黒い葯が目立ち、穂(花序)の上部から咲き始め、次第に下に移っていく[8][10]。ワレモコウの楕円形の花序は、一般的なバラ科植物の花とは似つかない形をしており、小さな花が沢山集まって形作られている[4]。その一つ一つの花は、花弁がない代わりに4枚の萼片が色づいている[4]。虫媒花であり、ハナバチなどの昆虫を呼び寄せて花粉を運ばせている[4]。
密集した穂状花序を持つため、果実も複合果状になる[10]。果実は花と同色の痩果で、萼筒に包まれており、先端に暗紅紫色の4枚の萼片が残っている[10]。
冬になると地上部のみ枯れる[7]。
性質は強健で、土地を選ばずに茂る[8]。繁殖は、秋頃に行う株分けと、春に種子を蒔く実生によって可能である[8]。痩果は長さ2.5mmでやや角張った楕円形をしており、稜がある[10]。
