地獄でメスがひかる
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父の愛人の子という自出、母の失踪後に仕方なく父に引き取られたという状況から継母、容姿が醜いとして異母兄姉達から虐げられていた弥生ひろみ。あまりの仕打ちに耐えかねて置き手紙を遺し、家から持ち出した薬を服用の上で崖から海に身を投げる。しかし偶然、その場に居合わせた開業医、巌俊明に救助され、彼の運営する医院に運び込まれた。俊明は3年前、周囲の陰謀により医学界から追放され、医師免許も剥奪されていたがアルコール依存症のおじから継いだ小さな医院を取り仕切り、診察の傍らで研究に没頭していた。おじの忠告などを振り切り、良心の呵責をマリファナたばこで制御して、ひろみに全身を整形する手術の話を持ちかける。俊明の普通の言動すら「優しさ」「幸せ」と感じてしまう程、心に傷を負っていたひろみは持病を治療出来るのならとして、彼の持ちかけた美容整形を含む手術を死のリスクを覚悟で承諾。そしてまるで別人のように美しくなった。
しかし、俊明に片想いをするナースの由紀はひろみに嫉妬。「あなたは実験台」「整形程度で、ここまで大幅に変われる筈がない」として、俊明が行ったのは美容整形ではなく、死体を接ぎ合わせて美しく作り上げた改造人間に彼女の脳を移植したもの。そして元の醜い肉体は保存されており、それを利用して自分を追放した者たちに一矢報いるつもりだということを告げてしまう。
ひろみはショックを受け、同時に消毒薬の匂いが苦手な事もあり、俊明の助手の宮崎に幇助を依頼し脱出。あてもなくさまよい、カメラマンの青木に写真を撮影された直後に倒れて巌医院へ戻される。しばらく経ったころ、青木が巌医院を訪れ、ひろみの写真がコンクールで入選した事を伝え、モデルデビューを勧める。「ある計画」を立てていた俊明は、その話を承諾。出版された写真集はベストセラーになり、ひろみは「朝露のビーナス」として話題になる。 出版社による記念パーティが開かれるが、その後に由紀がひろみに対して俊明が青木に写真集の発行を認め、デビューさせたのはひろみの姿をアフターとビフォーで比較させる為だとも伝え、俊明を怒らせてしまう。
元の肉体を嫌って俊明に処分を依頼したひろみだが、聞き入れて貰えないと知ると自らの手でメスで切り刻んで研究室の釜で焼却してしまう。それを知った俊明は激怒するが、資料すら燃やした上で記憶があれば、どうにかなると豪語。しかし次第に心のバランスがとれなくなり、薬物に溺れていく。 一方のひろみも元の体を処分した呵責、過去に受けた心の傷などから自身に違和感を抱き「皆が親切なのは今の姿に対してだ」「今の姿は本当の私ではない」として精神が壊れてしまう。
そしてひろみの存在が様々な意味で目立ち過ぎたのと同時に、俊明がパーティ会場に姿を現した事が元で、出席者の中から彼の過去が話題にのぼり無免許での医療行為、実験の疑念が広がり警察が動き出す。そして俊明が所有していたマリファナも残り少なくなり二人に破滅が訪れる……。