墨象
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書は文字造形表現つまり古典技法(書法)を学び、古典の再現また新しい文字造形、空間構成を指向するもの。
文字とは意思伝達のための規律性のある手段であり、書はそれを多彩な造形によって強く訴えるための造形表象にある。
これに対し墨象は、書法は踏襲するものの、書という制限を解放。因習や桎梏を打破し人間をひとつの生命体として捉え、その所作、心・感情の自己顕現を求めるもの。
墨を単色・無彩色・明暗までに拡張し、墨で象(かたち)を生み出す姿、そして現れた象(かたち)そのもの形貌である。そこには見えない感情やイメージを造形によって示そうとする意志、時間と空間との美的構造の上に新しい軌跡を打ち立てようとする意志がある。
前衛書道や抽象絵画が視覚平面作品としての美しさを鑑賞対象としているのに対し、墨象は五感を使った立体芸術であり、さらに作品制作過程、時間経過による作品の劣化など4次元的な要素も鑑賞対象とする。
時間的な製作運動の軌跡が明確に造形に影響を及ぼすこと。身心一如の生命体の発現が造形に結晶する。
簡単にいえば墨を使った造形芸術。つまり墨の容姿(すがた)である。