多細胞システム形成研究センター

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多細胞システム形成研究センター(たさいぼうシステムけいせいけんきゅうセンター、Center for Developmental Biology, CDB)は、国立研究開発法人理化学研究所がかつて有した研究拠点の一つ。2000年4月に前身組織である発生・再生科学総合研究センターとして設立[1]。2014年のSTAP細胞事件に伴う組織改編と名称変更を経たのち[2]、2018年4月に理化学研究所生命システム研究センター(QBiC)とライフサイエンス技術基盤研究センター(CLST)とともに生命機能科学研究センターに統合された[3]

出典[4]

  • 2000年4月 「生物の発生メカニズムを解明し、再生医療の科学的基盤を築くこと」を目的に、竹市雅俊をセンター長として発生・再生科学総合研究センターを設立
  • 2001年3月 兵庫県神戸市ポートアイランド地区に施設を建設
  • 2002年4月 理化学研究所神戸研究所が発足し、発生・再生科学総合研究センターが27の研究室で研究開始
  • 2014年1月 STAP細胞に関する論文を発表後、研究不正の疑義が提起されたことにより理化学研究所で調査委員会発足
  • 2014年4月 上記論文に対して、研究不正が認定される[5][6][7]。これに伴い、発生・再生科学総合研究センターの「解体的出直し」が決定
  • 2014年11月 理研が実施する「研究不正再発防止をはじめとする高い規範の再生のためのアクションプラン」の一貫として、センター名を多細胞システム形成研究センターに変更。また、研究体制の見直しや組織再編に伴い、一部の研究室を理化学研究所生命システム研究センター(QBiC)とライフサイエンス技術基盤研究センター(CLST)に移籍[8]
  • 2018年3月 生命機能科学研究センターの発足に伴い、活動を終了

不祥事

STAP細胞事件および、その背後にあるCDBの構造的問題

2014年1月30日、発生・再生科学総合研究センター(CDB)のチームリーダーであった小保方晴子氏らが、体細胞にストレスを与えると多能性が獲得されるという現象(STAP現象)に関する論文2報をネイチャー誌に掲載した。しかし、後にこれらの論文の図表・データに捏造改ざんの証拠が見つかったため[9]、当該論文は撤回された[10]。また、国内外の研究チームがSTAP現象に関する追試を行ったが、いずれも現象の再現に失敗した[11]。2014年4月4日、理化学研究所はCDB内でこれらの研究不正行為が生じるに至った理由を解明するため、外部有識者からなる「研究不正再発防止のための改革委員会」(以下、「改革委員会」)を設置した。改革委員会は、研究不正行為が生じるに至った理由を以下のように指摘している[12]

  • 小保方氏をチームリーダとして採用する際に、CDB人事部委員会が通常の採用手順をことごとく省略した。そのため小保方氏の資質や研究内容が客観的に精査されなかった。公募の時点で、すでに小保方氏の採用が決まっていたと評価せざるを得ない。
  • 秘密保持を優先するあまり、外部からの批判や評価が遮断された閉鎖的状況下で論文が執筆された。
  • 研究不正防止規程に定めるデータ記録・管理が正しく実行されていなかった。組織として、ずさんなデータ記録・管理が許容されていた。この点に関して改革委員会は「竹市センター長は(中略)、データ記録・管理について確認・指導を行う責務を実施していないばかりか、そのような責務を負っていることを認識さえしていないことをうかがわせる」と竹市雅俊氏の責任を厳しく追及している。
  • CDB発足依頼、ほとんど同一のメンバーによる長期のガバナンスが行われてきた。そのため、CDBトップ層による馴れ合いの土壌が形成され、研究不正行為が抑制できなかった。

さらに、改革委員会はSTAP細胞事件が生じた以降においても、理化学研究所のトップ層が研究不正行為の背景およびその原因の詳細な解明に及び腰であることを指摘しており、こちらについても「事実解明に関する積極性を欠く理研の姿勢は、事実を明らかにすることにより責任の所在が明らかになることを怖れているのではないか、STAP問題の発生を許した自らの組織の問題点や深刻な社会的疑義を惹き起こした責任について深く掘り下げることなく、問題を矮小化しようとしているのではないか、との疑念さえ生じさせるものである。」と厳しく糾弾している。改革委員会は理化学研究所のガバナンスについて「大組織には凡そ似つかわしくない貧弱すぎるガバナンス体制」と指摘した上で、「人事異動などの通常の方法では、欠陥の除去は困難」であり、早急にCDBの解体を行う必要があると結論づけた[12]

主な所属研究者

関連項目

脚注

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