※以下、宇井無愁『落語の根多 笑辞典』の内容に準拠する。
二階に通された宿屋の贔屓の客が、階下での主人夫婦の夜の営みの声に眠れず、翌日「あんたとこの嫁はん一晩1両で貸してくれ」と主人に頼み込む。主人は驚いたが、妻は同意して、1両を払った客と同衾する。
次の日は3両、また次の日は5両と金額を上げても客は同衾をやめようとしない。さすがに主人も「それは困る」と持ちかけ、「そないに気に入りましたか」と訊くと、「気に入ったどころやないが、一つ不満がある。聞いてるときにはよう泣いてくれるのに、一緒やとちょっとも泣いてくれへん。そやから今夜はぜひ泣かせたい」という。すると主人「そらあきまへん。あれ、わたいでんねん」。