射影法
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射影法(しゃえいほう、英語: projection method)とは、非圧縮性流れの問題を時間発展的に解くときの手法のひとつである。投影法(とうえいほう)、プロジェクションなどとも言う。
ここで”射影”とは、回転成分および発散成分の双方を含むベクトル場から発散を消し回転成分を取り出す操作のこと。
1967年にアレクサンダー・コリン(英語: Alexandre Chorin)によって、非圧縮性ナビエ・ストークス方程式を解くために導入された [1] [2]。この方法は、圧力勾配項とそれ以外の項を分離して計算するため、分離型解法とか演算子分割とか多段法などと呼ばれる。
1時刻の計算は2段階に分けられる。第一段階では、圧力以外の効果による速度増分を計算し、仮の速度場(速度予測子などと呼ばれる)を得る。つづく第二段階で、速度の発散成分を消す。すなわちdivergence-free の空間へ射影する。実際の射影プロセスは反復解法によりポアソン式を解くことであり、同時に圧力場が得られる。
任意のベクトル場は回転成分(管状回転ベクトル場(英語: Solenoidal vector field))と流入出成分(渦なし場(英語: irrotational field)に分解できる。(ヘルムホルツ・ホッジ分解と呼ばれる[3]。)
つまり、
と分解できる。ここで は回転成分であり である。また はスカラー場である(任意の流入出成分は対応するスカラー場の勾配で表される)。
よって両辺の発散をとると
という、に関するポアソン方程式の問題に帰着する。
任意ベクトル場 が与えられたとき、上記方程式の は一意に定められる。
すなわち、発散ゼロ場が
として得られる。
このようにポアソン式を解くことで圧力場と発散ゼロの速度場を得る。
ベクトルの直交成分の一つを消す操作であることから射影法と呼ばれる。