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小便器

立ちながら排尿するための装置 From Wikipedia, the free encyclopedia

小便器(しょうべんき)は、男性の排尿に特化した便器であり、使用後は自動または手動のフラッシュバルブで洗浄して排水する。

床置(ストール)、トラップ脱着型フラッシュバルブ式小便器 TOTO U308または、同社 U308C。
人感センサ式フラッシュバルブで給水される壁掛け型小便器TOTO U370。

日本にある近代的な陶器製の小便器は、主に男性用で、座らずに小便の用を足す形になっている製品がほとんどである。

小便器が設置されている部分は仕切りで区切っていない場合が多く、同じ広さの空間でも設置台数を多くすることができる。

近年では排泄後に自動的に洗浄水が流れる赤外線センサー付きの便器が増えている他、マイクロ波により感知する製品も登場しており、この場合センサーの小窓が付いていないすっきりとした小便器となっている。

女性用トイレでも女性と共に訪れた幼い男児向けに小便器が設置されているトイレもある。

和式便器が主流だった頃は、男性の小用に和式便器が使いにくい(膝立ちをすれば普通に使える)ので、一般家庭でも小便器を設置する事が多かったが、洋式便器の普及に伴い、公衆トイレや公共のトイレ以外で見かける事が少なくなってきた。

種類

小便器は、設置方式、形状、用途、機能などによって分類される。

設置方式による分類

床置式小便器(ストール型)
床面に設置する小便器。大型、中型、小型などがあり、公共施設、駅、公衆便所などで複数並べて設置されることが多い。現在の製品では便器内部に排水トラップを備え、清掃性を考慮して着脱可能なトラップを採用したものもある。[1]
壁掛式小便器
壁面に固定する小便器。床面に支持部がないため、床の清掃が容易である。大型、中型などの種類があり、公共建築や商業施設などで使用される。[2]
低リップ型小便器
壁掛式小便器の一種で、前面の立ち上がりを低くした形状のもの。利用者の身長差に配慮した設計が可能であり、公共施設などで採用されている。[3]

形状による分類

朝顔型小便器
前面が楕円形に広がった形状の壁掛式小便器。日本では戦前から普及し、公衆施設などで使用された。
筒型小便器
円筒状または細長い形状をした小便器。和風建築、旅館、飲食店などで意匠性を考慮した設備として使用されることがある。

用途による分類

幼児用小便器
幼児が使用しやすい高さや寸法に設計された小便器。幼稚園、保育所、児童施設などで使用される。小学校にもある場合があるが、小3程度からは使うことが難しい。その年齢からは幼児用小便器が足元にあり下を向けてすることが困難なため、使われない。しかし、膝立ちで、すれば大人でもすることができる。しかし、丸見えになるため、注意が必要。
女性用小便器(サニスタンド)
女性が立位または半立位で使用することを想定した小便器。日本では東洋陶器(現在のTOTO)が1951年に製造・販売したが、一般的な衛生設備としては普及せず、1971年に製造終了した。[4]
仮設用小便器
工事現場や災害時など、常設トイレを設置できない場所で使用する簡易型小便器。臭いがきつい場合も多くある。扉が付いていないことがほとんどで、女性から見ると、どちらが小便器を判断することができる。

機能による分類

自動洗浄式小便器
赤外線センサーなどにより、使用後に自動で洗浄を行う小便器。非接触操作により衛生管理を容易にする。[5]
節水型小便器
少ない洗浄水量で衛生状態を維持するよう設計された小便器。洗浄水量の制御や自動制御技術によって節水を図る。[6]
手洗い一体型小便器
手洗い設備と小便器を組み合わせた構造の小便器。手洗い水を便器洗浄に利用することで、水使用量の削減を図る。[7]

廃止・減少した形式

壁式小便器
壁面や溝を利用し、複数人が同時に使用する形式の小便器。過去には駅、公園、公衆便所などで使用されたが、個別型小便器への改修が進み、現在では減少している。しかし、海外などではよくあることもあり、学校でも採用されている

分類上の注意

「床置式」「壁掛式」は設置方式による分類、「朝顔型」「筒型」は形状による分類、「幼児用」「女性用」は用途による分類であり、異なる分類基準を含むため、製品比較では複数の観点から扱う必要がある。

構造

上部を起点に:上水道管、洗浄用のフラッシュバルブ(センサーやハイタンクによる自動洗浄の場合は水道管のみ)、洗浄水の吐水口、中心部、リム部(排泄時にちょうど尿が当たる部分)、排水口、陶器製のトラップ、配水管、排水管の途中に設けた排水トラップの順番となっている。

一方、壁掛け型小便器は便器本体がボルトやネジで壁に固定されており、便器の下部に排水トラップ部が露出している。

大小両用便器(兼用便器)

小便器を兼ねる大小両用便器。

和式大便器の一種で、一段(20〜30cmほど)高くした床に設置し、便器後部を段違い部に張り出させて男子の小用を兼ねる両用便器(兼用便器、段差式とも呼ばれる)が存在し、段違い部に張り出した部分は小便器のリップ部と同形状になっている。この大小両用和式便器(兼用便器)は、小便器の設置空間が取り難い日本の住宅環境もあり、一般住居でも広く採用されているほか、小規模な店舗やオフィスのトイレ、コンビニエンスストアのトイレ、ホテルや旅館等宿泊施設の各部屋にある客室のトイレにおいても同様に敷地面積の節約から和式の大小両用便器をひとつだけ供している場合も少なくない。これらの大小両用和式便器(兼用便器)は男性用トイレの他に男女共用トイレの便器としても多く使われる。宿泊施設などにおいては、客室部屋内の個別の男女共用トイレを敬遠する宿泊客の為に各フロアーに男女各々の性別専用のトイレが設置された宿泊施設も多い。大小両用和式便器(兼用便器)の洗浄装置は通常の和式便器と同様に店舗やオフィス、宿泊施設においては、多くが連続使用が可能で省スペースであるフラッシュバルブにより給水されるが、一般住居等のように25A以上の給水管径、給水圧力が0.07MPa以上が確保できず、フラッシュバルブが使用できない場合はボールタップによるタンクを設置して給水する。タンク式の主流を占めるロータンク式では、タンクの上部にはタンクの蓋の代わりに、手洗い器を兼ねている水盆を置き、タンクの給水の一部の水が手洗い部に出て来る仕組みであり、この場合トイレ内に個別に手洗い器を設けることを省略できるために、大小両用和式便器が設置される狭い空間のトイレで多く採用されている。

大小両用和式便器(兼用便器)においても平面床に埋め込んで施工される一般向けの和風便器(和式便器)同様に床上給水式と床下給水式があり、給水方式は施工面や配管の取り廻し、便器との相性の関係で、床上給水式は主にロータンク給水で、床下給水式の場合フラッシュバルブにより給水される。

洋式便器化が普及した近年では和式の大小両用便器に代わって通常の洋式大便器をひとつだけ設置して大小兼用便器として供していることが多くなっている。

しかし、開放的なこともあり盗撮がされやすいものでもある。

小便器の洗浄装置

小便器の洗浄は主にフラッシュバルブを接続して給水するが、手動式の場合は押しボタンを押して起動させ、自動式の場合は人感センサが便器付近の壁や便器本体に内蔵されている。

古い公共のトイレではハイタンク式による連立一斉洗浄方式があり、設定されたタイマーにより、電磁バルブでサイホン作用を起こしハイタンク内に貯水された水を、排水して複数の小便器を洗浄する。この方式は利用者が全く居ない時でも洗浄水が流れたり、逆に利用者が集中している時でもタイマーの設定時間が来るまで洗浄水が流れないので悪臭の原因になるなどのデメリットが多い。

またハイタンク式による連立一斉洗浄方式でも自動サイホン式があり、絶えずタンクに少量の水が給水され、タンクの水が満水に達する頃に自動でサイホン作用が働いて排水して連立した複数の小便器に給水する。利用者が居ない時でも、この動作が繰り返されるので、大量に無駄な水を消費してしまう他、タイマー式同様、利用者が集中している時でもタンクの水が満水に達しないと洗浄水が流れないので悪臭の原因になるなどのデメリットが多い。

これを改良したのが人感センサ式自動サイホンでトイレの入口付近に設置された人感センサにより検知した利用者をカウントし、設定された利用者まで検知するとハイタンクに給水が始まり、タンクの水が満水に達する頃にサイホン作用が働いて自動で排水して小便器に給水する。

これらのハイタンク式による連立一斉洗浄方式は、人感センサ式フラッシュバルブが普及するまでは公共のトイレで多く採用されていたが、最近ではトイレの改修などにより徐々に採用が減ってきている。

その他、小便器の洗浄には蛇口と同様の水栓を回して開閉させ水を流す方式も存在するが、この方式も寒冷地など一部を除き採用が減っている。

小便器の衛生面から跳ね返り、尿石の付着を防ぐためにトイレボールと呼ばれる洗浄薬剤を排水口付近に置いたり、衛生面や快適性を重視する施設のトイレでは、水洗式小便器上部の給水管に連結した薬剤供給装置により尿石付着防止薬剤が含まれる消毒薬剤を便器に供給する場合が多い。

ちなみに、一般的な住宅の便所においてフラッシュバルブは、完全な水洗式の大便器の場合は採用例が少ないが、男性用の小便器(簡易水洗便器を含む)の場合は、簡易水洗式の大便器と同様に、一般的な住宅の便所であっても採用される例もある。

ギャラリー

脚注

関連項目

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