山岸忍

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生誕 (1963-01-02) 1963年1月2日(63歳)
滋賀県
出身校 同志社大学
職業 実業家
やまぎし しのぶ
山岸 忍
生誕 (1963-01-02) 1963年1月2日(63歳)
滋賀県
出身校 同志社大学
職業 実業家
取締役会 プレサンスコーポレーション創業者
配偶者
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山岸 忍(やまぎし しのぶ、1963年1月2日 - )は、滋賀県出身の実業家

同志社高等学校を経て[1]同志社大学卒業[2]

大学卒業後の1985年大京観光株式会社に入社。1997年に株式会社日経プレステージ(後のプレサンスコーポレーション)を設立と同時に代表取締役に就任[3]

現在は、株式会社TUKUYOMI HOLDINGSの代表取締役[4]

逮捕

2019年12月16日、山岸は業務上横領容疑で大阪地方検察庁特別捜査部に逮捕された[5]。同月23日、プレサンスコーポレーションより山岸の社長辞任が発表された[6][7]

無罪

2021年10月28日、大阪地方裁判所は、山岸の業務上横領罪での共謀の存在を認めず無罪判決を下した[8]。11月11日、大阪地検は控訴を断念し、判決が確定した[9]

事件全体の流れについては「明浄学院事件」参照。

事件の争点としては、山岸が小林・山下から大橋個人に対する買収資金の貸付だと説明され、山岸がその内容を認識していれば、大橋個人の借金を学校法人から返済するという横領行為について共謀があったとして有罪となるが、山岸の供述するように小林・山下から学校法人に対する貸付だと説明されて、山岸がその内容を認識していれば、学校法人の借金を学校法人が返済することに法律上問題はなく無罪となる、というものであった[10]

本件においては重要な客観的証拠として、山岸への説明資料として18億円は明浄学院の高校を運営する「学校法人に」貸し付けると記載されている「学校法人明浄学院M&Aスキーム」が存在しており、山岸の無実は裏付けられていた[10]。そうであるにもかかわらず、大阪地検特捜部は、その資金の流れから、大橋らが山岸の18億円を元手に学校経営権を取得し、その見返りとして山岸被告が経営するプレサンス社が明浄学院高校の土地を取得したことについて、山岸もその計画の全容を小林・山下から説明されて認識していたものと見立て、小林・山下を厳しく取り調べた[10]。大阪地検特捜部は、小林に対して、「確信的な詐欺である、今回の事件で果たした(部下の)役割は、共犯になるのかというようなかわいいものではない、プレサンスの評判を貶めた大罪人である、今回の風評被害を受けて会社が被った損害を賠償できるのか、10億、20億では済まない、それを背負う覚悟で話をしているのか」などと責め立て、山岸も小林から計画を説明されていたという供述を押し付けた[11]。また、大阪地検特捜部は、山下に対して、「(山岸の)関与を隠すとあなたの責任の重さが変わる」などと責め立て、同様の供述を押し付けた[12]。大阪地検特捜部は、これらの脅迫・誘導に基づく自白を元に山岸を逮捕した[13]

山岸は、公判で「横領に共謀した事実はない」と一貫して無罪を主張したが、大阪地検は懲役3年を求刑した[14]。大阪地裁は、山下の捜査段階の供述について、「自身の刑の重さが変わると言われ、検察官に迎合した可能性が否定できない」として証拠として採用しない決定をした[15]。また、公判廷においては、弁護人が証拠調べ請求をしていた小林の取調べ時の録音録画が再生されたところ、「学校側に貸すと(山岸被告に)説明した」と供述する小林に対し、検事が「それだと山岸(被告)をだましたことになる」などと問い直す場面があった[15]。大阪地裁は上記のような取調べを受けた小林の供述については、「必要以上に強く責任を感じさせるもので、供述を変える強い動機を生じさせかねない」として信用性を否定した。そのうえで、大阪地裁は、「小林らの説明時の認識に基づき,基本的には明浄学院への貸付である,あるいは最終的に明浄学院に債務を負担させる資金であるなどと説明されていたことがうかがわれる」「当時,明浄学院の債務になると認識していても何ら不合理ではなく,逆に,明浄学院の債務にならない可能性があると認識していたというには合理的な疑いが残る。」などと判示して、山岸に対して無罪を宣告した[14]

判決を受けて、山岸は、「なんでもっと丁寧に捜査してくれなかったんだろうと。証拠に基づいてやってくれなかったんだろう、と」「ドラマとか映画でね、そういうシーン出てきますよね。こうやって無理に捏造していくもんなんや、と」「入れられた時は、感情を持つ以前の問題です。なにが起こっているのかわからない。もう夜でしたので、めちゃくちゃ寒い日だったんですよね」「私は仕事が本当に大好きです。そして、私が作った会社ですから、自分の子供のように会社のことが大好きです。それを一瞬にして取り上げられたのが一番つらかったです」と事件に関する心境を語った[16]

弁護団の秋田真志弁護士は、「大阪地検特捜部が逮捕・起訴し、厚生労働省の局長だった村木厚子さんが無罪になったえん罪事件の捜査と変わっていないことが明らかになった」「仮説に固執して客観証拠を十分に分析せず、ターゲットを絞って供述を取ろうとする構造が、検察内部で変わっていない」として検察組織を批判したうえ、「関係者の取り調べの録音・録画によって検察官の問題のある取り調べが浮き彫りとなり、無罪判決につながった」と取調べ可視化の重大性を訴えた[17]。また、弁護団の中村和洋弁護士は、「メールの中身なども見ることが出来た。たくさん客観的な証拠は、全て明浄学院が借りる前提で、少なくとも当初の段階は作られている。そういうのを見ていく中で弁護団は、完全に無罪である、えん罪事件であると確信した」「取り調べの録音録画を証拠開示請求して、実際に録画の場面をみたら驚き、あきれたのが正直なところ。取り調べの録音録画で可視化しているのに、こんなに問題のある、ひどい取調べを担当検事がしているなんて」と語った[16]

他方、ある検察幹部は取材に対し「特捜部という大きい権力で逮捕起訴したわけなので、無罪に対する批判があって当然だし、その批判は受けるしかない。体質が変わっていない、という指摘も仕方がないと思う。ただ組織としての意識改革もやっているし、変えようとしている最中なのは間違いない」「もっと供述の裏付けをできなかったのか。検察官の言動が不適切とされた点など反省すべき所は反省する」「今回の検事だけの問題ではない。『越えてはいけない一線』を守りつつ、国民の負託に応えられるよう、指導を続けていく」と語った[16][18][19]

元刑事裁判官の水野智幸・法政大法科大学院教授は「無理やり供述を取るのではなく、状況証拠を積み重ねる姿勢を貫くべきだった」とコメントした[18]渡辺修・甲南大学法科大学院教授は「共犯とするものから言葉を引き出すことによって、シロをまったくのクロに塗り替えようとしたというのは証拠の偽造、データの偽造とまったく同じ発想方法だと思う。残念なことに10年前と今回と、2度の無罪判決見る限り、体質は変わっていない。もっと恐ろしいことに、検察の世代が変わっているはずなのに、その文化、マイナスの文化が連綿と受け継がれてしまっている」とコメントした[20]

大阪地検特捜部は、客観的証拠を無視して見立てに固執し、重要証人を脅迫・誘導して有罪の証人を作り上げ、山岸を冤罪で起訴したこととなり、村木事件以来の重大冤罪事件となった[21][22]

国家賠償訴訟

著書

脚注

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