市中消化の原則
From Wikipedia, the free encyclopedia
以下、細かい法規制を考慮せずに簡潔に説明する。
例えば、民間市場で100万円の預金を集めたA銀行があるとする。A銀行は市場から集めた預金を使って国債を購入する場合は中央銀行に開設している当座預金へ入金する必要がある。政府が50万円の資金調達を行うため国債を発行し、A銀行が購入するとA銀行は額面価格50万円の国債を得ると同時にA銀行の当座預金から政府の当座預金へ50万円が送金される。この時のA銀行の資産内訳は当座預金50万円と額面価格50万円の国債、負債内訳は預金100万円となる。政府の資産内訳は資産50万円、負債内訳は借入金50万円となる(実際は国債は利付けのため利払いも発生する)。
政府は借入金によって得た資金を使って支出を行う事が出来る。政府の支出によって経済主体が50万円の資金を受け取りA銀行に入金するとする。この時のA銀行の資産内訳は当座預金100万円と額面価格50万円の国債、負債内訳は預金150万円となる(ここで、A銀行は預金の全額引出しに対応できず、準備預金制度による制約が発生する)。この間の取引においてマネタリーベースの増減はない(日銀統計では政府が持つ当座預金はマネタリーベースから除外されるため、一時的にはマネタリーベースが減少するが当座預金全体に変化はないので日銀が公表するマネタリーベースには注意する必要がある)。
政府の借入金による支出はマネーサプライのみ増加させる。政府が借入金を返済する場合は税収入からであるため、経済主体から徴収した資金をもって返済をする。この時のA銀行の資産内訳は当座預金100万円、負債内訳は預金100万円となり、元に戻る。
以上が国債市中消化の流れとなり、一時的に政府の借入金支出によって経済主体の預金通貨を増加させるが、税収による借入金の返済後は国債発行前と同じとなる。