店長がバカすぎて

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発行日 2019年7月13日(単行本)
2021年9月8日(文庫本)
店長がバカすぎて
著者 早見和真
発行日 2019年7月13日(単行本)
2021年9月8日(文庫本)
発行元 角川春樹事務所
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 四六判 並製
ページ数 296
公式サイト www.kadokawaharuki.co.jp
コード ISBN 978-4-7584-1339-8
ISBN 978-4-7584-4426-2(文庫)
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店長がバカすぎて』(てんちょうがバカすぎて)は、2019年7月13日角川春樹事務所から出版された早見和真による小説。続巻として『新!店長がバカすぎて』『さらば!店長がバカすぎて』がある。

いずれも武蔵野書店・吉祥寺本店に集う店員、お客、作家が織りなす人間模様が描かれている。

店長がバカすぎて

第一話 店長がバカすぎて

書店員の京子は、尊敬する先輩書店員・小柳真理が紹介する、名前も知られていない作家の売れない作品に添えられた、売り場のポップの書評が気になり、読んでみるが、その面白さが全くわからない。

第二話 小説家がバカすぎて

吉祥寺本店の店長・山本が、武蔵野書店にて人気作家の富田暁を招いてサイン会を企画するが、デビュー作以降、順調に作品は売れるものの、面白い作品が書けないでいる富田はすっかりグレていた。

第三話 弊社の社長がバカすぎて

武蔵野書店の創業者で社長の柏木雄三が、吉祥寺本店に視察に来るが、自分の失策を棚に上げ、文芸の売り上げが下がっている事を、書店員の努力が足りないと叱責する。

第四話 営業がバカすぎて

かつて吉祥寺本店で京子と共に働く店員だった木梨祐子が、大手出版社・往来社の新人として、上司の山中と共に営業にやってきた。『レッツ・ゴー奥さま』という、年刊誌を、書店員に強制的に自爆購入させる大手出版社の傲慢さと、武蔵野書店にあまり力を入れてくれていない往来社の営業方針に、良い印象を持っていない京子は、彼女の就職を素直に喜べなかった。

第五話 神様がバカすぎて

ネットで手軽に本を購入出来るようになった現代においても、足繁くお店に来店し、定期購読を含め多数の書籍を購入して下さる常連のお得意様を、京子は勝手に「神様」と認定して大切にしているが、その尊い神々は、凡夫である書店員達の信仰心を、しばしば試すことがある。「出版社名や著者名はおろか、タイトルさえもわからない出版物を注文したい」と。しがない凡夫の書店員達の心は打ちひしがれる。運命はいかに。

最終話 結局、私がバカすぎて

出版社の営業担当者ですら、その正体を知らない覆面作家・大西賢也。彼のサイン会を行おうと、店長の山本が動き出す。正体を知られたくないから覆面作家なのであろう大西を、書店の店先に呼ぼうとする店長のバカさ加減にあきれる京子であったが、その京子の元に、往来社の営業・山中が、かつての書店員仲間であった木梨祐子を伴って訪ねてきた。執筆中と噂されていた、大西賢也の新作のゲラ刷り原稿を携えて。

新!店長がバカすぎて

第一話 帰ってきた店長がバカすぎて

コロナ渦のなか難しい書店の運営を任されていた小柳店長であったが、忙しさの中で書店員からの信頼を失い、結婚を理由に逃げるように武蔵野書店を退職してしまった。その後吉祥寺本店の店長には、社長の生まれ故郷である宮崎の新店舗の店長を任されていた山本が復帰する。早速以前と同じように、開店前の貴重な時間を、長い朝礼で浪費する店長に、書店員たちはかつて抱いていた、いら立ちを懐かしく思い出す。

第二話 アルバイトがバカすぎて

吉祥寺本店では文芸の棚を担当する京子と磯田真紀子。京子は中堅以上、磯田は新人作家を担当している。二人がいきつけの喫茶店・イザベルにて、話題作『ステイ・フーリッシュ・ビッグパイン』の面白さを語り合おうとしたその時、新人のバイト書店員・山本多佳恵が乱入してくる。お呼びでない乱入者に磯田は身を固くするが、そんなことはお構いなしに、二人に対して自分を意見を語り始める山本。京子はバイト募集の面接に、彼女が現れた日のことを思い出した。鋭い書評や本屋への深い愛情を感じ、当時の店長・小柳に彼女の採用を進言したのは、何を隠そう京子であったのだ。

第三話 親父がバカすぎて

お客がいる店内で若手書店員を叱責する専務の柏木雄太郎に我慢ならず、京子は専務に嚙みつくが、そのやりとりは動画に撮られ、面白おかしく編集され、カリスマ書店員の暴走として、ネットの海に拡散されてしまう。また医者と結婚している後輩書店員の退職とその言動に、何とも言えない感情を抱いた京子は、元・店長の小柳と実家の小料理屋・美晴で会食した際に、心のもやもやが晴れないことを相談する。

第四話 社長のジュニアがバカすぎて

動画拡散の一件以降、専務の柏木になぜか気に入られた京子。彼が六本木の高級な飲食店に誘ってくれたことに胸の高鳴りをおぼえるが、指定された店には言葉使いの悪い生意気な子供と、美しいご婦人が待っていた。柏木が妻帯者だったことにがっかりする京子であったが、その席で京子は柏木から思いもよらなかった提案を聞かされる。「六本木に出店を予定する新店舗の店長になってほしい」と。

第五話 新店長がバカすぎて

六本木への出店を時期尚早と判断した柏木は、テコ入れとして吉祥寺本店のリニューアルを行い、リニューアルオープン後の吉祥寺本店の店長に京子を昇進させ、山本店長は店長補佐とする人事案を発表する。しかし京子を自ら手塩に育てて店長に昇進させる野望を勝手に抱いていた山本は、おもちゃを取られた子供のようにすねてしまい、自慢の朝礼も柏木に評価されない事を憤る。

最終話 やっぱり私がバカすぎて

コロナ禍に執筆を始め、その後も推敲を重ねていた新作『爆風』を書きあげた大西賢也。吉祥寺本店のリニューアルオープン記念イベントの目玉に、新作の発表を兼ねて前回大好評だった大西のトークショーが再度企画される。4年前に武蔵野書店・吉祥寺本店の書店員とお客の関わり合いを面白おかしく書きあげた『店長がバカすぎて』をベストセラーとして世に送り出している大西は、吉祥寺本店の依頼を快諾してくれた。
書店員としての自分の実力不足を理由に店長就任の内示を断り、今までと同じように書店員として働く京子であったが、体調不良の山本に代わり、リニューアルオープンの準備責任者となり大忙しとなる。そんな中、大西からトークショーを別の作家を交えた対談形式にしたいと申し出があった。対談相手は既に大西が出演の承諾を得ている様子で、京子が交渉にあたる必要はないのだが、その大西が用意した対談相手が、『ステイ・フーリッシュ・ビッグパイン』の作者・マーク江本だと知り京子はびっくり仰天する。すべての準備を終え、明日のリニューアルオープンイベントを迎えるだけとなったその日、『ステイ・フーリッシュ・ビッグパイン』の版元・五反田パブリッシングの関係者が、京子と磯田の元を訪ねてきた。そして京子と磯田にはマーク江本の新作のゲラ刷り原稿が渡される。その作品は二人を混乱させるには十分すぎるほどの破壊力があった。

登場人物

『店長がバカすぎて』の登場人物

武蔵野書店関係者

谷原京子(たにはら きょうこ)
主人公。吉祥寺本店に勤めて6年目の契約社員。文藝コーナー担当。薄給が悩み。実家は神楽坂の小料理屋「美晴」
山本猛(やまもと たける)
吉祥寺本店の店長。独身。朝礼のスピーチにに自己啓発本の受け売りを用いて、社員を朝から萎えさせる。性格はのん気で掴みどころがない。
小柳真理(こやなぎ まり)
吉祥寺本店に勤める正社員。書評がきっかけで新書をベストセラーに導いたこともあるカリスマ書店員。京子にとって憧れの先輩。
磯田真紀子(いそだ まきこ)
バイト店員。頭が良いが、扱いが難しい。
柏木雄三(かしわぎ ゆうぞう)
武蔵野書店の創業者で社長。ワンマンであまり他の人間の意見を聞かない。

出版関係者

山中(やまなか)
武蔵野書店を担当する往来館の営業。ただし武蔵野書店にはあまり力を入れてはいない。
木梨祐子(きなし ゆうこ)
往来館の営業。

その他の登場人物

藤井美也子(ふじい みやこ)
吉祥寺本店を利用する常連客。証券会社に勤める派遣社員。本選びのセンスが良く、京子は勝手にマダムと名付けている。
石野恵奈子(いしの えなこ)
京子の実家、小料理屋「美晴」を利用する常連客。自称「本が好きな酔っ払い」

作家

富田暁(とみた あかつき)
小説家。デビュー作の『空白のエデン』はベストセラーとなる。
大西賢也(おおにし けんや)
小説家。覆面作家。『幌馬車に吹く風』や『早乙女今宵の後日談』などを書く売れっ子作家。
宮城リリー(みやぎ リリー)
小説家。デビュー作の『糸井川断層連続ニラ殺人事件』はベストセラーとなる。
竹丸トモヤ(たけまる トモヤ)
山本猛が朝礼を行うとき参考にする、自己啓発本の著者。

『新!店長がバカすぎて』から登場する人物

武蔵野書店関係者

山本多佳恵(やまもと たかえ)
半年前に入社した新人バイトスタッフ。長野県出身。勘が鋭く繊細。そのため周囲となじめず、小5から高3までは不登校気味に過ごし、大学は通信制を選ぶ。引きこもり気味であったが、吉祥寺本店で開かれた大西賢也のトークショーに参加してからは、家族をびっくりさせるような変化を遂げ、吉祥寺本店で働き始める。
廣原龍太郎(ひろはら りゅうたろう)
最近入った19歳の男性新人バイト。そのため復帰した山本店長と面識がなく、書店内の噂話としてしか知らなかった。
柏木雄太郎(かしわぎ ゆうたろう)
社長のジュニアで専務。妻子あり。元・IT関連のビジネスマン。体調のすぐれない社長の柏木雄三の補佐役として、武蔵野書店に入社したばかり。高級なストライプのスーツに身を包み、四角いフレームの眼鏡をかける。その風貌から京子は柏木専務に”六本木”と勝手にあだ名を付けた。妻の由香里は年上女房。
柏木雄介(かしわぎ ゆうすけ)
雄太郎の息子で5歳だが、大人に向かって生意気な口を利く。ただし本は好きなようで、京子と会食中も絵本を手放さないなど、本好きの片りんを見せている。

出版関係者

武田(たけだ)
創業して間もない新興の出版社・五反田パブリッシングの編集者。
佐藤(さとう)
五反田パブリッシングの営業。編集の武田と共に、武蔵野書店・吉祥寺本店に訪れる。

作家

マーク江本(マーク えもと)
小説家。SNSで書き綴っていた文章が、出版社・五反田パブリッシングの社員の目にとまり、『ステイフーリッシュ・ビックパイン』として書籍化され作家デビューする。大西賢也同様の覆面作家。

書誌情報

用語

脚注

外部リンク

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