応答スペクトルは1自由度系の応答の最大値を縦軸に、1自由度系の固有周期または固有振動数を横軸にとったものであるため、縦軸にとる応答の選び方によって様々なスペクトルが考えられる[3]。
縦軸に1自由度系の絶対加速度応答の最大値をとった応答スペクトル。Saと表記される。耐震設計で入力地震動を表現する場合に通常使われることから、断りなく応答スペクトルと書かれている場合は加速度応答スペクトルである場合が多い。短周期側では地震動の最大加速度に漸近し、長周期側では周期Tに対して1/T²でゼロに漸近する。
縦軸に相対変位応答の最大値をとった応答スペクトル。Sdと表記される。加速度応答スペクトルとは逆の特徴をもち、短周期側では周期Tに対してT²でゼロに漸近する一方、長周期側では地震動の最大変位に漸近する。
縦軸に相対速度応答の最大値をとった応答スペクトル。Svと表記される。長周期地震動による構造物への応答性状の違いをみるために使われることが多い。短周期側では周期Tに対してTでゼロに漸近し、長周期側では地震動の最大速度に漸近する。なお、0.1秒から2.5秒までの速度応答スペクトルの平均値はSI値とよばれる。
フーリエスペクトルでは加速度の一階積分である速度のフーリエスペクトルを求める場合に、加速度フーリエスペクトルにT/2
を掛けて求めても構わない。ところが、応答スペクトルの場合は加速度応答スペクトルにT/2
を掛けても速度応答スペクトルに理論的には一致しない。そこで、加速度応答スペクトルからこのようにして求めた応答スペクトルを疑似速度応答スペクトルとよび、pSvと表記される。厳密には速度応答スペクトルと一致しないが短周期側では速度応答スペクトルとほぼ等しく、かつ長周期側では周期Tに対して1/Tでゼロに漸近する。このため、本質的には加速度応答スペクトルでありながらも、スペクトルのピークが明瞭になる特徴を持っている。