現代の科学、特に行動遺伝学の見地からは、才能は遺伝的要因と環境的要因が複雑に相互作用して形成されると理解されている。知能や学業成績、特定の芸術的・身体的能力といった様々な人間の特性に対して、遺伝がどの程度影響するかは双生児研究などによって定量的に分析されている[4]。個人の持つ遺伝的素質はあくまで可能性であり、その才能が開花するかどうかは、教育、家庭環境、文化的背景、そして本人の不断の努力といった後天的な要因に大きく左右される。したがって、「生まれか育ちか」という二元論ではなく、両者の相互作用の観点から才能を捉えることが重要である[4]。