拡散数 From Wikipedia, the free encyclopedia 拡散数(かくさんすう、英: diffusion number)とは、陽解法を用いた拡散方程式の数値解析に際して、その数値的安定性を議論する上で重要な無次元数のひとつ。拡散数d は次式で定義される。 d = k Δ t ( Δ x ) 2 {\displaystyle d=k{\dfrac {\Delta t}{(\Delta x)^{2}}}} ここで k :拡散係数 Δt :解析における時間間隔 Δx :空間方向の間隔 である。 1次元の拡散方程式: ∂ u ∂ t = k ∂ 2 u ∂ x 2 {\displaystyle {\dfrac {\partial {u}}{\partial t}}=k{\dfrac {\partial ^{2}{u}}{\partial {x}^{2}}}} ここで t :時間 x :空間座標 を考える。差分法を用いて拡散方程式を離散化すると以下のようになる。 u i n + 1 − u i n Δ t = k u i + 1 n − 2 u i n + u i − 1 n ( Δ x ) 2 {\displaystyle {\dfrac {u_{i}^{n+1}-u_{i}^{n}}{\Delta t}}=k{\dfrac {u_{i+1}^{n}-2u_{i}^{n}+u_{i-1}^{n}}{(\Delta x)^{2}}}} この式を拡散数d を用いて書き直すと、時間ステップn +1 における物理量uin +1 を u i n + 1 = u i n + d ( u i + 1 n − 2 u i n + u i − 1 n ) {\displaystyle u_{i}^{n+1}=u_{i}^{n}+d(u_{i+1}^{n}-2u_{i}^{n}+u_{i-1}^{n})} と表すことができる。 拡散数による安定性の評価 拡散方程式を陽解法、特に差分法を用いて計算する場合、拡散数の大きさにより解析の数値的安定性をフォン・ノイマンの安定性解析により評価することができる。解析を安定に進めるためには d ≤ 1 2 {\displaystyle d\leq {\frac {1}{2}}} である必要がある。この式は以下のように書き換えられる。 Δ t ≤ 1 2 ( Δ x ) 2 k {\displaystyle \Delta t\leq {\frac {1}{2}}{\dfrac {(\Delta x)^{2}}{k}}} つまり時間間隔Δt をある値より小さくしなければ安定に解析ができない。解析を精度よく行うために空間解像度Δx を小さくする場合、Δt はその2乗で小さくしなければならず、この条件は非常に厳しいものとなる。 参考文献 竹内則雄、樫山和男、寺田賢二郎『計算力学』森北出版、2003年9月。ISBN 4-627-91801-1。 藤井孝蔵『流体力学の数値計算法』東京大学出版会、1994年4月。ISBN 9784130628020。 関連項目 拡散方程式 クーラン数 Related Articles