フォン・ノイマンの安定性解析は誤差のフーリエ分解に基づいている。ここでは1次元の熱伝導方程式:

をFTCS法(英語版)[注 1]を用い離散化した次の式の安定性を考える。
・・・(1)
ただしr は拡散数

で、区間の長さをL とする。差分方程式の解
は格子上で偏微分方程式の解析解
を近似する。
丸め誤差
を

と定義する。ただし
は差分方程式(1)を丸め誤差なしで計算したときの解で、
は有限精度計算で得られた数値解である。厳密解
は差分方程式を厳密に満たすから、誤差
もまた差分方程式を厳密に満たす。したがって誤差は次の漸化式を満たす。
・・・(2)
式(1), (2)は、誤差と数値解の両方が時間ステップに応じて同じように成長または減衰することを示す。周期境界条件を持つ線形微分方程式に対し、誤差の空間的変動は区間L で次のようにフーリエ級数に展開できる:

ここで
:波数
:分割数
である。誤差の時間依存性は誤差の振幅
が時間ステップの関数である仮定することによって考慮されている。誤差の成長・減衰は指数関数的になる傾向があるので、振幅が時間とともに指数関数的に変化すると仮定するのは妥当である。ゆえに

と仮定する。ただしa は定数である。
誤差が従う差分方程式は線形なので(級数の各項の挙動は級数自体と同じである)、次の典型的な項の誤差の成長を考察すれば十分である:
・・・(3)
誤差に対するこの形式を使用して安定特性を調べても一般性を失わない。誤差が時間ステップを進めるごとにどのように変化するかを調べるため、式(3)を(2)に代入し整理すると
・・・(4)
を得る[注 2]。
振幅係数G を
・・・(5)
と定義する。誤差が有界であるための必要十分条件は
である。したがって式(4), (5)より、安定性の条件は

と与えられる。この条件が任意の
について成り立たなければならないから、
・・・(6)
を得る。式(6)は1次元熱伝導方程式をFTCS法で解くときの、安定性の必要条件を与える。与えられた空間ステップ幅
に対して、時間ステップ幅
は式(6)を満たすように十分に小さく取らなければならないことが分かる。