救命ボート
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救命ボート(きゅうめいボート)とは、船舶事故時の脱出用あるいは水害発生時の被災者救出用に使用される小型ボートのこと[1]。特に船舶に装備され遭難時に降ろして使用する舟艇を救命艇(Life boat)[2]、沿岸の基地に配属され船舶事故の際に出動して人命救助等にあたる舟艇を救難艇(Rescue boat)[2]という(後者については救難艇も参照)。また、海上における人命の安全のための国際条約(SOLAS条約)では船舶に搭載する救命設備として救命艇とは別に救助艇(数人ずつ救命いかだに搬送して収容するために用いる舟艇)を定めている[3]。なお、陸上に常備しておくものとして津波救命艇がある[4]。
救命艇



船舶に装備され遭難時に降ろして使用する舟艇を救命艇(Life boat)という[2]。この形式の舟艇は法律上も救命艇と呼ばれる[5]。
船舶に搭載される救命設備には救命艇のほか、救命筏、救命浮環、救命胴衣などがある[2]。これらの救命設備(救命艇、救命筏、救助艇など)は、海上における人命の安全のための国際条約(SOLAS条約)にて船舶の種類に応じて設置が義務付けられている[3]。また、これらの救命ボートへの要求水準や船舶毎に設置する救命ボートの種類なども定められている[6][7]。
- 旅客船や乾貨物船などに対して、部分閉囲型救命艇、全閉囲型救命艇、自己復正部分閉囲型救命艇。
- ガス運搬船や化学薬品を扱う船など用の空気自給式救命艇(自蔵空気維持装置付救命艇)。
- 石油タンカーなどでは、耐火救命艇
- ばら積み貨物船などでは、自由降下式救命艇
また、飽和潜水ダイバーを運用する船では、高気圧救命艇を備える場合もある[8]。
海面への移動は、ダビットなどがあり、傾斜角が一定レベルであっても利用できるようになっている。自由降下式救命艇は、83年SOLAS改正で提案され、迅速な脱出が可能である。方式としては、30度ほどの傾斜角があるスライドを滑ってダイビング後に海面に浮上するスライド降下方式、吊り下げ状態から自由落下する自由落下方式がある[9]。
救助艇
1983年改正の海上における人命の安全のための国際条約(SOLAS条約)で貨物船や旅客船に装備される舟艇として救命艇とは別に救助艇が定められた(船種ごとに定められた救命設備要件も救命艇とは異なる)[3]。
船舶に搭載された救助艇で一度に救助できる人数は3人から4人程度であり、この救助艇を使って救命いかだに収容した後、救命いかだを曳航することで多くの遭難者を救助できる[3]。
舷側ハッチからの救助作業が可能な全閉囲構造の救命艇兼救助艇が開発されたことから、貨物船では専用救助艇は置かれなくなっている[3]。一方で、自由降下式救命艇は、救命艇に定められた揚収時間の要件(本船への揚収時間5分以内)を満たすことが困難で、ハッチがプロペラに近い艇尾にあり遭難者への接近が難しいなど、救助艇との兼用は難しい場合がある(そのため自由降下式救命艇を設備する船舶では専用救助艇を装備せざるを得ない)[3]。
ギャラリー
- 救命艇
- 海面に降下させるクレーンダビット
- 自由降下式救命艇
- 自由降下式救命艇の発進
- 石油採掘施設の耐火救命艇
- 2012年1月13日に転覆したクルーズ客船コスタ・コンコルディアと救命艇
救助活動用舟艇
水害発生時の被災者救出用に使用される小型ボートのことも救命ボートと称される[1]。ボートには後部に船外機を取り付けたものや手漕ぎボートなどがある[10]。船外機付き救命ボートは広範囲に点在する要救助者と救助場所との間の往復をスムーズに行うことができる点が長所である[10]。ただし、長時間浸水している地域では底に瓦礫等が蓄積していることがあり、船外機に影響を与えることから、手漕ぎボートのほうが救助活動に有効な場合もある[10]。
材質や形状により、ゴムボート、ポータボート(高圧縮ポリプロピレン等)、FRP(繊維強化プラスチック)、アルミボート(アルミニウム)、ラフトボートなどの種類がある[10]。
