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断食芸人

フランツ・カフカの小説 From Wikipedia, the free encyclopedia

断食芸人』(だんじきげいにん、Ein Hungerkünstler)は、フランツ・カフカ短編小説。1921年-1922年頃執筆。1922年に文芸誌『新ドイツ展望』にて発表。1924年、「歌姫ヨゼフィーネ、あるいは二十日鼠族」「最初の悩み」「小さな女」とともに『断食芸人―四つの物語』として作品集が編まれたが、刊行はカフカの死の2か月後となった。

概要 断食芸人 Ein Hungerkünstler, 作者 ...
断食芸人
Ein Hungerkünstler
初版本の表紙
初版本の表紙
作者 フランツ・カフカ
ドイツの旗 ドイツ国
言語 ドイツ語
ジャンル 短編小説
発表形態 雑誌掲載
初出情報
初出 『新ドイツ展望』1922年
刊本情報
出版年月日 1924年
日本語訳
訳者 本野亨一
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作品中で描かれている断食芸はカフカの創造したものではなく、ヨーロッパでは19世紀後半から20世紀前半にかけて実際に断食芸の興行が行なわれていた。カフカはサーカスを観るのが好きで、この他にも芸人を題材にした一連の作品がある。

あらすじ

断食芸はかつては人気の芸だった。断食芸に対して町中が沸き立ち、断食が続くにつれ、断食芸を間近で見るために席を予約するものまで現れたほどだった。断食芸人は格子の付いた檻の中に入り、敷き詰めたの上に座ってじっとしている。檻の中には他に時計が置かれているばかりである。断食芸人は時おり水で口を湿らす他は何も口にせず、また人目に隠れて物を食べないようにと常時見張りが付いている。芸に対して誇りを持っている断食芸人は、見張りが厳しければ厳しいほど喜んだ。興行は決められた日数である40日間続けられ、それが終われば音楽とともに人々の間に出迎えられる。しかし断食芸人は、40日で断食をやめなければならないことに不満であった。

今では断食芸の人気はすっかり衰え、断食芸人は相棒の興行主と別れてサーカス一座と契約を結ばなければならなくなった。断食芸人の檻は動物小屋とともに並べられるが、珍しい動物を見にやってきた人々は断食芸人に興味を示さない。断食芸人はすっかり忘れ去られてしまうが、今や自分が望むだけの断食を続けることができた。ある日、監督が断食芸人の檻に気が付いた。藁屑を掻き出すと、断食芸人がまだ断食を続けている。問いかける監督に対して、断食芸人は「自分に合った食べ物を見つけることができなかった」と述べ、息絶える。断食芸人が片付けられると、その檻には生命力に溢れたが入れられた。

日本語訳

  • 山下肇訳「斷食行者」 『變身、流刑地にて、支那の長城、觀察 (他三十八篇)』新潮社〈マックス・ブロート編 カフカ全集 3〉1953年7月。NCID BN01043831DOI 10.11501/1695893 に所収
    • 山下肇訳「断食芸人」 『変身、他一篇』岩波書店〈岩波文庫〉1958年1月。NCID BN01034921 に所収
    • 山下肇, 山下萬里訳「断食芸人」 『変身、断食芸人』岩波書店〈岩波文庫〉2004年9月。NCID BA68667387に所収 ※
  • 岡村弘訳「斷食藝人」 『アメリカ、變身、斷食藝人、支那の長城、歌姫ヨゼフィーネ、小品集、穴』三笠書房〈現代世界文學全集 26〉1953年12月。NCID BN05637747SomokuID 1107954296 に所収
  • 長谷川四郎訳「飢餓術師 」 『飢餓術師、他二十篇』河出書房〈河出文庫〉1954年9月。NCID BA62220826 に所収
    • 長谷川四郎訳「飢餓術師 」 『カフカ傑作短篇集』福武書店〈福武文庫〉1988年3月。NCID BN03539000ISBN 4828830677 に所収
  • 原田義人訳「断食芸人」 『カフカ』筑摩書房〈世界文學大系 58〉1960年4月。NCID BN01869434 に所収
  • 本野亨一訳「断食芸人」 『ある流刑地の話』角川書店〈角川文庫〉1963年9月。NCID BA49681256 に所収
    • 本野亨一訳「断食芸人」 『ある流刑地の話』KADOKAWA〈角川文庫〉1992年12月。ISBN 9784042083030 に所収。※
  • 城山良彦訳「断食芸人」 『城、ある戦いの記録、田舎医者、断食芸人、巣穴』集英社〈世界文学全集 : 20世紀の文学 8〉1966年10月。NCID BN04081597国立国会図書館デジタルコレクション に所収
    • 城山良彦訳「断食芸人」 『審判、変身 他』集英社〈綜合社編 世界文学全集 第56〉1969年。NCID BN15291911 に所収
  • 高安国世訳『変身・判決・断食芸人ほか二編』講談社〈講談社文庫〉1971年7月。NCID BA47933846 に所収
    • 高安国世訳「断食芸人」 『変身、判決、ほか』講談社〈世界文学ライブラリー 24〉1971年10月。NCID BA31381922 に所収
  • 浦山光之訳「断食芸人」 川崎芳隆、浦山光之訳『変身 (他)判決・流刑地にて・火夫・断食芸人』旺文社〈旺文社文庫〉、1973年1月。NCID BA65935151 に所収
  • 円子修平訳「断食芸人」 『変身、流刑地にて』新潮社〈決定版 カフカ全集 1〉1980年11月。NCID BN00281186ISBN 4106811138 に所収
※は電子書籍も刊
その他

劇作家別役実は本作を翻案した戯曲「獏 もしくは断食芸人」(1972年初演)がある。

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