新しいきみへ
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中高一貫の文立女学院の教師・佐久間悟は、有給の日に同僚から頼まれ、生徒のトラブル処理のため歓楽街を訪れる。無事に解決を終えて帰る途中、彼は酒に酔った妻・亜希が見知らぬ男とホテルへ入る姿を目撃する。その光景に動揺した悟は電車に飛び乗り、仙台にたどり着く。翌日を仮病で休み、小さな頃からの夢だった日本一周の旅に出た悟は、1週間をかけて各地を巡ったのち、生まれ故郷の小田原に立ち寄る。そこで不思議な少女と出会った悟は、夢の中で見かけた黒髪の少女に似た面影に戸惑いながらも、共に町を歩き回り、やがて誘われるままホテルに入る。しかし最後の一線を越える直前に、妻との出会いを思い出し、そのまま帰路につく。帰宅後、妻の浮気が誤解だったと知った悟は安堵し、新たな気持ちで新学期を迎える。
新学期、悟が受け持つことになった新入生のクラスに、小田原で出会った少女・相生亜希が編入してきた。さらに、彼女が悟の結婚指輪を盗んでいたことが発覚する。ホテルの件が明るみに出ることを恐れた悟は指輪の返還を求めるが、相生は「愛した人は生まれ変わっても手放さない」と述べ、悟につきまとうようになる。そんな中、世界では人々が吐血し死に至る謎の奇病が拡大しつつあった。
登場人物
- 佐久間 悟(さくま さとる)
- 文立女学院に勤務する教師。寝癖のついた黒髪に無精髭を生やした、さえない風貌の中年男性。生真面目で気弱な性格のため、周囲からいいように使われることが多い。妻の亜希に仕事を辞めるよう勧められているが、強い責任感から退職できずにいる。学生時代は研究者を志していたが、教職員となった。最近、夢の中に「きみはまた失敗した」と言う黒髪の少女が現れる。
- 相生 亜希(あいおい あき)
- 悟が受け持つクラスに編入してきた高校生。茶髪のショートヘアで、ミステリアスな雰囲気を漂わせている。悟が夢で見る黒髪の少女に面影が似ている。傷心旅行中の佐久間悟が故郷の小田原で出会った際、悟の結婚指輪を盗んだ。新学期に悟のクラスに転入し、彼に指輪の返還を拒否し、積極的なアプローチを続ける。自宅の電話番号が公共機関につながる偽物であるなど、その素性は謎に包まれている。
- 佐久間 亜希(さくま あき)
- 悟の妻で、神奈川県警の捜査一課に配属されている刑事。黒髪のミドルヘアで、勝ち気な毒舌家。職場では優秀な刑事として頼りにされている。悟を心配して職場を辞めるようアドバイスしている。
- 吉本 菜月(よしもと なづき)
- 悟が勤務する文立女学院の体育教師。スタイル抜群の能天気でおっとりした性格。悟に好意を抱いている。勘が鋭い一面もあり、言動が不自然な相生亜希の自宅の電話番号が偽物であることに気づく。
- 井上(いのうえ)
- 悟が勤務する文立女学院の教師。生真面目な悟を「つまらない人間」だと思っている。
- 小林(こばやし)
- 悟が勤務する文立女学院の教師。無断欠勤の翌日、吐血し血まみれとなった無残な死体でアパートの一室から発見される。