日本の鋸
日本で木工や木造建築において用いられる伝統的な形態の鋸
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おもな種類

胴付鋸、胴突鋸(どうづきのこ)
鋸板の背(鋸刃のない側)が背金(鞘)で補強された片刃の鋸。(詳細は、胴付鋸を参照)
両刃、両歯(りょうば)
様々な大工仕事に用いることができるように、鋸板の両側に鋸刃がある鋸。鋸刃のひとつは木目を横切って挽く横挽き(横目)用、もうひとつは木目と平行して挽く縦挽き(縦目)用になっている。
畦挽(あぜびき)
細工に用いる小型の両刃鋸で、材木を角からではなく平面の表面から切り込むことができる。鋸刃は半月状のカーブになっており、平らな面のどこからでも切り込むことができる。
回し引き(まわしびき)
曲線を切るための鋸板が細い鋸で、ヨーロッパの keyhole saw に相当する。『和漢三才図会』巻第二十四「百工具」の記載では、「引き回し」と表記される。
替え刃(かえば)
刃の部分を脱着できるようにした鋸。
その他の鋸
備考
- 古代日本では、鋸の和名は「ノホキリ」と読み、『新撰字鏡』(897 - 900年)では「乃保支利(のほきり)」と表記し、『和名類聚抄』(935年)でも「能保岐利(のほきり)」と記されている。
- 『和漢三才図会』巻第二十四「百工具」の記載では、図に「舟鋸」が描かれている他、大鋸も3種ほど描かれている。
- 冒頭にあるように日本の鋸は輸出され、アメリカ、更には欧州にも拡大しており、またwikipediaでは現時点(2017年8月)で日本の鋸の項目は日本語以外に欧米を中心に11言語存在している。これは押しノコである欧米の鋸と異なり引きノコであるという特徴も一因にはあるが性能の高さが評価されている点も大きい。日本の鋸の性能がどの時点で世界的に高い水準となったかは不明ながら、ロシア人ヴァシーリー・ゴロヴニーンが1811年より約2年3ヶ月の間、松前に抑留された事件、いわゆるゴローニン事件での記録を著した『日本幽囚記』において日本の鋼製品一般を高く評価した上で「日本の鋸は非常に良くて、どんな硬い木からも非常に薄い板をひける」と取り上げて評価しており、19世紀初頭の段階で高いレベルにあったものと推察出来る。
- 伝統工芸となっている地方産品としての鋸も存在する。例としては、三木金物(兵庫県三木市)の一つ[5]や、木造船用として発達した房州鋸(千葉県南部)があるが、このうち房州鋸は職人が一人残るのみである[6]。


