日本空間デザイン賞

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日本空間デザイン賞(にほんくうかんデザインしょう、英語: KUKAN DESIGN AWARD)は、一般社団法人日本空間デザイン協会(DSA)と一般社団法人日本商環境デザイン協会(JCD)が共同で主催する、日本最大級の空間デザインである[1]空間デザインの価値を未来へ繋ぐことを目的として2019年に創設された[2]

日本空間デザイン賞は、DSAが主催してきた「DSA日本空間デザイン賞」(旧称:ディスプレイデザイン賞)とJCDが主催してきた「JCDデザインアワード」という、それぞれ半世紀以上の歴史を持つ2つのデザインアワードを統合して誕生した賞である[3]

「空間」という概念を物理的なスペースだけでなく、そこで起こるイベントや時間の流れをも包含するものとして捉え、多様な視点と価値観を発掘することをミッションとしている[1]。審査基準として「Contemporary(現代性)」「Creative(創造性)」「Social(社会性)」「Cultural(文化性)」「Well-designed(デザイン性)」「Innovative(革新性)」「Sustainable(持続可能性)」の7項目を掲げている[4]

優れたデザインと優秀なデザイナーを発見し世界に紹介することで、空間デザインの新しい可能性を広げることを目的としている[1]。2021年よりドイツiF Design Awardとパートナーシップ契約を締結しており、Shortlist受賞者にはiF Design Awardへの応募特典が付与される[5]

歴史

前身となった賞

DSA日本空間デザイン賞

DSAの前身である日本ディスプレイデザイン協会が1966年に「ディスプレイデザイン賞」として創設した[3]。空間におけるコミュニケーションデザインの優れた作品を顕彰してきた。協会名の変更に伴い「DSA空間デザイン賞」「DSA日本空間デザイン賞」と改称された。大賞には日本経済新聞社賞が併せて授与された[6]

JCDデザインアワード

1974年に日本商環境設計家協会(現・日本商環境デザイン協会)が「商空間デザイン賞」として隔年で開始した[7]1980年からは毎年の開催となり、その後「商環境デザイン賞」「JCDデザインアワード」と改称されて商業空間デザインの発展に貢献した[8]

統合と日本空間デザイン賞の創設

日本のデザイン協会が多く、個々のアワードのスケールが世界的な影響力に欠けるという課題を背景に、2017年にDSAとJCDが統合に合意した[3]。2019年、両協会の長年にわたるアワードを統合し「日本空間デザイン賞」として新たに創設された[2]。初年度の応募総数は約1,100件にのぼった[9]

応募カテゴリ

応募作品は3つのグループ・12部門に分類される[4]

応募カテゴリ一覧
グループ部門番号部門名
Aグループ(展示・イベント系)01展示会・イベント空間
02ビジネスプロモーション空間
03ショーウィンドウ・アート空間
04エンターテインメント空間
Bグループ(商業施設系)05ショップ空間
06食空間
07商業複合施設空間
08サービス・ホスピタリティ空間
Cグループ(公共・生活系)09文化交流空間
10公共施設・コミュニティ空間
11ワークプレイス
12住・生活空間

※ 創設時は全11カテゴリであったが、その後12カテゴリに改編された[2][4]

賞の構成

審査は4段階で行われ、以下の賞が授与される[4]

  • KUKAN OF THE YEAR(大賞) - 12部門の金賞受賞作品から1〜3作品を選出。日本経済新聞社賞が併せて授与される。
  • 金賞 - 各12部門から各1作品。
  • 銀賞
  • 銅賞
  • Shortlist(入選) - 3次審査通過作品。
  • Longlist - 2次審査通過作品。
  • 審査員特別賞
  • ヤングタレント賞 - 35歳未満のデザイナーを対象(2025年度より新設)。
  • サステナブル空間賞

審査プロセス

  1. 1次審査:全応募作品をオンラインで審査し、Longlistを選出。
  2. 2次審査:Longlist作品をオンラインで審査し、各部門から約10作品をShortlistとして選出。
  3. 3次審査(公開審査):プレゼンテーションボードに基づき審査し、各部門の金賞・銀賞・銅賞を決定。
  4. 最終審査(非公開):12部門の金賞受賞作品からKUKAN OF THE YEARを選出。

歴代KUKAN OF THE YEAR

KUKAN OF THE YEAR 受賞作品一覧
年度受賞作品設計者 / 所属
2019年広島平和記念資料館本館[9]田中利岳 / 株式会社丹青社
2020年SHIBUYA SKY[10]亀井忠夫・勝矢武之 / 日建設計、有國恵介 / ライゾマティクス
深大寺ガーデン レストランMaruta[10]古谷俊一 / 古谷デザイン建築設計事務所
熊本城特別見学通路[10]塚川悠 + 堀駿 / 日本設計
2021年未来コンビニ[11]佐藤航 / コクヨ株式会社
神水公衆浴場[11]黒岩裕樹 / 黒岩構造設計事務所 ほか
2022年route to root - retracing the story of down. -[12]吉泉聡 / TAKT PROJECT
おそいおそいおそい詩[12]髙橋匡太 / 株式会社髙橋匡太
上勝ゼロ・ウェイストセンター[12]中村拓志 / 中村拓志&NAP建築設計事務所
2023年GOLDWIN PLAY EARTH PARK TOYAMA 風の遊具[13]中村竜治 / 中村竜治建築設計事務所
宝満宮竈門神社 覆殿・本殿[13]望月成孝 / 望月工務店・望月建築設計室
Sumu Yakushima 〜Regenerative Life Studio〜[13]小野司 / tono Inc.
2024年在る美[14]金内幸裕 / 資生堂クリエイティブ株式会社
馬場川通りアーバンデザインプロジェクト[14]平賀達也 / 株式会社ランドスケープ・プラス
tobe[14]成田和弘 + 成田麻依 / kufu
2025年大阪・関西万博 「EARTH MART」[15]小山薫堂 / オレンジ・アンド・パートナーズ、大西亮 / 乃村工藝社
和光本店地階 アーツアンドカルチャー[15]武蔵淳 / 和光、新素材研究所
美郷町カヌー艇庫 カヌーパークみさと カヌーレIMAI[15]中本剛志・田中裕一 / STUDIO YY

2025年大阪・関西万博関連の受賞

2025年度は大阪・関西万博関連のパビリオン・展示が複数受賞した。KUKAN OF THE YEARには小山薫堂プロデュースの「EARTH MART」が選出されたほか[15]、シグネチャーパビリオン「null²」(落合陽一プロデュース)が銀賞[16]を受賞するなど、万博の空間デザインが高く評価された年となった。

主催団体

脚注

外部リンク

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